谷崎潤一郎賞

2020

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日本蒙昧前史

磯﨑憲一郎

2019

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飛族

村田喜代子
この島にいるのは、ふたりの老女だけ 朝鮮との国境近くの島でふたりの老女が暮らす。 九二歳と八八歳。 厳しい海辺暮らしとシンプルに生きようとする姿! 傑作長編小説。 「わしは生まれて九十年がとこ、この島...

2018

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星野智幸
私たちは最後の生き残りだった。もう人間などいないのかもしれない。物語ること、現代日本に生きることに迫る、かつてない小説体験!...

2017

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名誉と恍惚

松浦寿輝
日中戦争のさなか、上海の工部局に勤める日本人警官・芹沢は、陸軍参謀本部の嘉山と青幇(チンパン)の頭目・蕭炎彬(ショー・イーピン)との面会を仲介したことから、警察を追われることとなり、苦難に満ちた潜伏生...

2016

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薄情

絲山秋子
他人への深入りを避けて日々を過ごしてきた宇田川に、後輩の女性蜂須賀や木工職人の鹿谷さんとの交流の先に訪れた、ある出来事…。土地が持つ優しさと厳しさに寄り添う傑作長篇。谷崎賞受賞作。...
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三の隣は五号室

長嶋有
傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。病を得た伴侶が、異国の者が、単身赴任者が、どら息子が、居候が、苦学生が、ここにいた。そして全員が去った。それぞれの跡形を残して―。今はもういない者たちの一日一日...

2015

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ヤモリ、カエル、シジミチョウ

江國香織
小さな動物や虫と話ができる幼稚園児の拓人の目に映る、カラフルでみずみずしい世界。ためらいなく恋人との時間を優先させる父と、思い煩いながら待ちつづける母のもと、しっかり者の姉に守られながら、拓人は大人た...

2014

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東京自叙伝

奥泉光
舞台は東京。地中に潜む「地霊」が、歴史の暗黒面を生きたネズミや人間に憑依して、自らの来歴を軽妙洒脱に語り出す。唯一無二の原理は「なるようにしかならぬ」。明治維新、第二次世界大戦、バブル崩壊から福島第一...

2013

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愛の夢とか

川上未映子
なにげない日常の光、ささやかな愛、孤独。美しい言葉で、言葉にならないはずのものを描く奇蹟のような7編。谷崎潤一郎賞受賞作。...

2012

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さよならクリストファー・ロビン

高橋源一郎
最後に残ったのは、きみとぼくだけだった―お話の主人公たちとともに「虚無」と戦う物語。...

2011

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半島へ

稲葉真弓
東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作「海松」を超えた、究極の「半島物語」。谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作!...

2010

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ピストルズ

阿部和重
一子相伝の謎めいた秘術「アヤメメソッド」の正体とは? 魔術師一家だと噂される菖蒲家に興味をもった石川は、若木山の裏手の屋敷を訪れる。そこは植物の香りに満たされ、心地よい音楽が演奏されるヒーリングサロン...

2008

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東京島

桐野夏生
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、...

2007

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爆心

青来有一
殉教の火、原爆の火に焼かれながら、人はなぜ罪を犯し続けるのか?「聖水」で芥川賞を受賞した著者が、欲望と贖罪、死とエロスの二律背反の中で苦悩し歓喜する人々を描いた連作短編集。人間の内奥を圧倒的な物語性の...

2006

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ミーナの行進

小川洋子
美しくて、か弱くて、本を愛したミーナあなたとの思い出は、損なわれることがない―懐かしい時代に育まれたふたりの少女と、家族の物語。...

2005

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告白

町田康
人はなぜ人を殺すのか。河内音頭のスタンダードナンバー“河内十人斬り”をモチーフに、町田康が永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。...
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風味絶佳

山田詠美
作家生活20周年におくる、恋愛小説の最高傑作 「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」。恋の妙味を描く珠玉の6篇。20年目のマイルストーン的作品集。谷崎賞受賞作 70歳の今も真っ赤なカマロを走...

2004

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雪沼とその周辺

堀江敏幸
山あいの静かな町、雪沼で、ボウリング場、フランス料理屋、レコード店、製函工場、書道教室などを営む人びと。日々の仕事と真摯に向きあい、暮らしを紡いでゆくさま、その人生の語られずにきた甘苦を、細密な筆づか...

2003

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容疑者の夜行列車

多和田葉子
多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に「犬男」の太郎さんが押しかけてきて奇妙な二人の生活が始まった。都市の中に隠さ...

2001

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センセイの鞄

川上弘美
ひとり通いの居酒屋で37歳のツキコさんがたまさか隣りあったご老体は、学生時代の国語の恩師だった。カウンターでぽつりぽつりと交わす世間話から始まったセンセイとの日々は、露店めぐりやお花見、ときにささいな...

2000

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遊動亭円木

辻原登
真打ちを目前に盲となった噺家の円木、金魚池にはまって死んだ、はずが...。あたりまえの夜昼をひょいとめくると、摩訶不思議な世界が立ち上がる。粋人のパトロン、昔の女と今の女、わけありの脇役たちも加わって...
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共生虫

村上龍
体内に謎の「虫」を宿した、引きこもり青年ウエハラ。彼はネットを通じ、インターバイオと名乗るグループから、その虫が殺戮と種の絶滅を司る「共生虫」であると教えられる。選ばれた存在であることを自覚した彼は、...

1999

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透光の樹

髙樹のぶ子

1998

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火の山―山猿記

津島佑子
火の山を仰ぎ見つつ、光につつまれ野を駆けた日々。20XX年、パリで見つかった日本語のノートには、いったい何が託されていたのか。維新の前夜から新しい世紀まで、夢と記憶が交錯する、傑作長篇小説。...

1997

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季節の記憶

保坂和志
ぶらりぶらりと歩きながら、語らいながら、静かにうつらうつらと時間が流れていく。鎌倉・稲村ガ崎を舞台に、父と息子、便利屋の兄と妹の日々...それぞれの時間と移りゆく季節を描く。平林たい子賞、谷崎潤一郎賞...
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路地

三木卓
名刹が点在し、高級住宅地が広がる古都・鎌倉。だが、そんな町にも様々な人生が交錯する“路地”がある。古書店主、観光人力車を曳く男、図書館勤めの小市民...、市井の七人それぞれが過去に秘めている小さな罪や...

1995

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西行花伝

辻邦生
未刊行作品から辻邦生論まで。資料を網羅し作品の新たな地平を開く。辻邦生の文業40年を集大成する初の本格的全集。...

1994

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虹の岬

辻井喬
トップの座を目前に住友を去った著名な経済人にして一代の歌人川田順と、短歌の弟子である若き京大教授夫人の灼熱の恋...。戦後の日本を背景に、二人の恋の道程を、繊細に、端正に、香り高く描く、昭和を代表する...

1993

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マシアス・ギリの失脚

池澤夏樹
舞台は、毎朝、毎夕、無数の鳥たちが飛びまわり、鳴きさわぐ南洋の島国、ナビダード民主共和国。鳥たちは遠い先祖の霊、と島の人々は言う。日本占領軍の使い走りだった少年が日本とのパイプを背景に大統領に上り詰め...

1992

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花に問え

瀬戸内寂聴
「セックスなんてビフテキたべるのと同じよ」——インテリアデザイナーの桐子は、大学助教授で翻訳家の省吾と不倫関係にある。桐子は偶然、省吾の妻でフラワーアーティストの秋子を見知るが、秋子も夫に隠れて若い愛...

1991

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シャンハイムーン(戯曲)

井上ひさし

1990

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やすらかに今はねむり給え

林京子
昭和20年5月から原爆投下の8月9日までの日々――長崎の兵器工場に動員された女学生たちの苛酷な青春。一瞬の光にのまれ、理不尽に消えてしまった〈生〉記録をたずね事実を基に、綿密に綴った被爆体験。谷崎潤一...

1987

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夢の木坂分岐点

筒井康隆
夢の木坂駅で乗り換えて西に向かうと、サラリーマンの小畑重則が住み、東へ向かうと、文学賞を受賞して会社を辞めたばかりの大村常賢が住む。乗り換えないでそのまま行くと、専業作家・大村常昭が住み、改札を出て路...

1986

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砂丘が動くように

日野啓三
海沿いの砂丘のある町にやってきたルポライターの男が、少年に誘われ迷い込んでゆく奇妙な町の夜と昼の光景。超能力を持つ少年と盲目のその姉。女装する美しい若者。夜の闇に異常発生する正体不明の無数の小動物キン...

1985

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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

村上春樹
〈私〉の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した〈私〉は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。〈私〉の行く先は永...

1984

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群棲

黒井千次
向う三軒両隣ならぬ“向う二軒片隣”の四軒の家を舞台とし、現代の近郊の都市居住者の日常を鋭く鮮かに描き出す。著者の最高傑作と評され、谷崎潤一郎賞も受賞した“現代文学”の秀作。...
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この国の空

高井有一
戦争末期の東京―空襲に怯え、明日をもしれぬ不安な日々を過ごす十九歳の里子。母と伯母と杉並の家に暮らす彼女の前に、妻子を疎開させた隣人・市毛が現れる。切迫する時代の空の下、身の回りの世話をするうち、里子...

1983

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槿(あさがお)

古井由吉

1982

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寂兮寥兮(かたちもなく)

大庭みな子
幼なじみの万有子と泊は、ごっこ遊びの延長の如き微妙な愛情関係にあったが、それぞれの夫と妻の裏切りの死を契機に……。ふたりを軸に三世代の織りなす人間模様は、過去と今、夢とうつつが混じり合い、愛も性もアモ...

1981

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みちのくの人形たち

深沢七郎
お産が近づくと屏風を借りにくる村人たち、両腕のない仏さまと人形―奇習と宿業の中に生の暗闇を描いて世評高い表題作をはじめ名作七篇を収録する。谷崎潤一郎賞受賞作。...
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吉野大夫

後藤明生

1980

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一年の牧歌

河野多惠子

1979

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ポロポロ

田中小実昌
父の開いていた祈祷会では、みんなポロポロという言葉にならない祈りをさけんだり、つぶやいたりしていた――表題作「ポロポロ」の他、中国戦線での過酷な体験を描いた連作。谷崎潤一郎賞受賞作。...

1978

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中村真一郎
太平洋戦争を示唆したと思われる「戦慄すべき時期」「精神の衝撃」のために、青年期の記憶をほとんど失ってしまった主人公の“私”。そして、定年間際の銀行マンで、流されゆく人生に疑問を抱いてしまった“私”の学...

1977

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日の移ろい

島尾敏雄

1976

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田紳有楽

藤枝静男
あくまで私小説に徹し、自己の真実を徹底して表現し、事実の奥底にある非現実の世界にまで探索を深め、人間の内面・外界の全域を含み込む、新境地を拓いた、“私”の求道者・藤枝静男の「私小説」を超えた独自世界。...

1975

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一休

水上勉
権力に抗し、教団を捨て、地獄の地平で痛憤の詩をうたい、盲目の森女との愛に惑溺してはばからなかった一休のその破戒無慙な生涯と禅境を追跡した谷崎賞受賞に輝く伝記文学の最高峰。...

1974

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安曇野

臼井吉見
激動の明治から昭和を描く本格的大河小説。二〇〇〇年十一月セット復刊。...

1973

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帰らざる夏

加賀乙彦
省治は、時代の要請や陸軍将校の従兄への憧れなどから100人に1人の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学する。日々繰返される過酷な修練に耐え、皇国の不滅を信じ、鉄壁の軍国思想を培うが、敗戦。〈聖戦〉を信じた心...

1972

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たった一人の反乱

丸谷才一
出向を拒否して通産省をとび出し、民間会社に就職した馬淵英介は、若いモデルと再婚する。殺人の刑期を終えた妻の祖母が同居し始めたことから、新家庭はとめどなく奇妙な方向へ傾き、ついに周囲の登場人物がそれぞれ...

1971

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青年の環

野間宏

1970

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闇のなかの黒い馬

埴谷雄高
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暗室

吉行淳之介
屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカ――脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描い...

1969

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「朱を奪うもの」 「傷ある翼」<三部作> 「虹と修羅」

円地文子

1967

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友達(戯曲)

安部公房
ある日突然現われた父親と名のる男が、奇怪な魚に生れ変り、それまで何の変哲も無かった街が水中の世界に変ってゆく『水中都市』、コモン君が、見馴れぬ植物になる話『デンドロカカリヤ』、安部短編作品の頂点をなす...
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万延元年のフットボール

大江健三郎

1966

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沈黙

遠藤周作
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる…...

1965

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抱擁家族

小島信夫
妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し、次第に自己を喪失する。不気味に音もなく解けて行く家庭の絆。現実に潜む危うさの暗示。時代を超え現代に迫...