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マシアス・ギリの失脚

池澤夏樹

舞台は、毎朝、毎夕、無数の鳥たちが飛びまわり、鳴きさわぐ南洋の島国、ナビダード民主共和国。鳥たちは遠い先祖の霊、と島の人々は言う。日本占領軍の使い走りだった少年が日本とのパイプを背景に大統領に上り詰め、すべてを掌中に収めたかに見えた。だが、日本からの慰霊団47人を乗せたバスが忽然と消え、事態は思わぬ方向に転がっていく。善良な島民たちの間で飛びかう噂、おしゃべりな亡霊、妖しい高級娼館、巫女の霊力。それらを超える大きな何かが大統領を飲み込む。豊かな物語空間を紡ぎだす傑作長編。谷崎賞受賞作品。

池澤夏樹

池澤 夏樹(いけざわ なつき、1945年7月7日 - )は、日本の小説家、詩人。翻訳、書評も手がける。日本芸術院会員。 文明や日本についての考察を基調にした小説や随筆を発表している。翻訳は、ギリシア現代詩からアメリカ現代小説など幅広く手がけている。 各地へ旅をしたことが大学時代に専攻した物理学と併せて、池澤の作品の特徴となる。また、詩が小説に先行していることも、その文章に大きな影響を与えている。 声優の池澤春菜は娘。
誕生福永 夏樹(ふくなが なつき) (1945-07-07) 1945年7月
職業小説家・詩人
言語日本語
国籍日本
最終学歴埼玉大学理工学部中退
活動期間1984年 - (作家として)
ジャンル小説・詩・随筆
代表作『スティル・ライフ』(1987年)『マシアス・ギリの失脚』(1993年)
主な受賞歴中央公論新人賞(1987年)芥川龍之介賞(1988年)小学館文学賞(19
デビュー作『夏の朝の成層圏』(1984年)
子供4人池澤春菜
親族福永武彦(父)原條あき子(母)
公式サイト公式ウェブサイト