三島由紀夫賞

2020

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かか

宇佐見りん
うーちゃん、19歳。 母(かか)も自分も、もう抱えきれん。 選考委員・町田康、村田沙耶香、震撼。 痛みと切なさを描く20歳の才器、第56回文藝賞受賞作。 19歳の浪人生うーちゃんは、大好きな母親=かか...

2018

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無限の玄

古谷田奈月
新三島賞作家が描く女子と野球の熱く切ない物語。空っ風吹くなか白球を追う女子たちの連帯と闘争。三島賞受賞作「無限の玄」を併録。...

2017

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カブールの園

宮内悠介
シリコンバレーで起業した30代後半、日系3世の女性レイ。 80年代アメリカの小学校時代に周囲から受けた壮絶ないじめの後遺症を今も抱えながら、黒人の同僚とコンビで自社製品のプレゼンに駆り出される日々を送...

2016

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伯爵夫人

蓮實重彦
ばふりばふりとまわる回転扉の向こう、帝大受験を控えた二朗の前に現れた和装の女。「金玉潰し」の凄技で男を懲らしめるという妖艶な〈伯爵夫人〉が、二朗に授けた性と闘争の手ほどきとは。ボブヘアーの従妹・蓬子(...

2015

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私の恋人

上田岳弘
一人目は恐るべき正確さで世界の未来図を洞窟の壁に刻んだクロマニョン人。二人目は大戦中、収容所で絶命したユダヤ人。いずれも理想の女性を胸に描きつつ34年で終えた生を引き継いで、平成日本を生きる三人目の私...

2014

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自分を好きになる方法

本谷有希子
いつのまにこんなに遠くに来てたんだろう。ささやかな孤独を抱いて生きる女性の一生を6日間で描く。今年度芥川賞作家による意欲作。...

2013

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しろいろの街の、その骨の体温の

村田沙耶香
クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、ある日、結佳は伊吹...

2012

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私のいない高校

青木淳悟
鬼才が放つあまりにも前衛すぎる学園小説。カナダからの留学生を受け入れた、とある高校での数ヶ月の出来事――。普通すぎるのに普通じゃない、物語という概念を徹底的に排除した、「主人公のいない小説」 (講談社...

2011

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こちらあみ子

今村夏子
あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれ兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢...

2010

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クォンタム・ファミリーズ

東浩紀
人生の折り返し、三五歳を迎えたぼくに、いるはずのない未来の娘からメールが届いた。ぼくは娘に導かれ、新しい家族が待つ新しい人生に足を踏み入れるのだが...核家族を作れない「量子家族」が複数の世界を旅する...

2009

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夏の水の半魚人

前田司郎
魚彦。僕の変な名前は、お母さんの初恋にちなんでつけられた。写生大会で行った臨死の森で、転校生・海子の秘密を見てしまう。二人だけの秘密。夏の海の水の音。色ガラスの破片。車椅子の今田は魔法使いに会ったとい...

2008

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切れた鎖

田中慎弥
海峡の漁村・赤間関を、コンクリの町に変えた桜井の家。昔日の繁栄は去り、一人娘の梅代は、出戻った娘と孫娘の3人で日を過ごす。半島から流れついたようにいつの間にか隣地に建った教会を憎悪しながら...。因習...

2007

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1000の小説とバックベアード

佐藤友哉
二十七歳の誕生日に仕事をクビになるのは悲劇だ。僕は四年間勤めた片説家集団を離れ、途方に暮れていた。(片説は特定の依頼人を恢復させるための文章で小説とは異なる。)おまけに解雇された途端、読み書きの能力を...

2006

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LOVE

古川日出男
家庭に居場所を得られず自転車を駆って遠征する少年、学校になじめず都バスに乗って往還する少女、超能力を持つ老女、ストリートミュージシャン、殺し屋、そして多くの野良猫。直感だけを生きる指針にして東京を疾走...

2005

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六〇〇〇度の愛

鹿島田真希
優しい夫と息子と団地で暮らす何不自由ない生活を捨て、ある日、女は長崎へと旅立った。かつて六〇〇〇度の雲で覆われ、原爆という哀しい記憶の刻まれた街で、女はロシア人の血を引く美しい青年と出会う。アルコール...

2004

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ららら科學の子

矢作俊彦
男は殺人未遂に問われ、中国に密航した。文化大革命、下放をへて帰還した「彼」は30年ぶりの日本に何を見たのか。携帯電話に戸惑い、不思議な女子高生に付きまとわれ、変貌した街並をひたすら彷徨する。1968年...

2003

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阿修羅ガール

舞城王太郎
アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっち...

2002

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にぎやかな湾に背負われた船

小野正嗣
とある海辺の集落「浦」を舞台に、教師と恋に落ちた少女、奇妙な昔語りにふける四人組の老人などがつむぎ出す、半世紀あまりの脱線につぐ脱線の記憶と現在の物語。第15回三島由紀夫賞を受賞した表題作に、第12回...

2001

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ユリイカEUREKA

青山真治
映画への愛と熱狂と焦慮―迫真のトークバトル。...
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あらゆる場所に花束が……

中原昌也
どこからか聞こえてくる「殺れ!」の声。殺意と肉欲に溢れる地上を舞台に、物語は進む―。暗い地下室で拳銃に脅かされながら、絵ハガキを作らされる男。河川敷で、殺人リハーサルを粛々と敢行するジャージ姿の一団。...

2000

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目覚めよと人魚は歌う

星野智幸
女は壊れた愛の記憶にとり憑かれ、亡霊のように息を潜めていた。男は日系ペルー人の宿命に翻弄され、ぎりぎりまで追い詰められた。この地上に居場所を持てない2つの魂が、出逢い、触れ合った、世界の果ての3日間。...

1999

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ロックンロールミシン

鈴木清剛
社会人三年目の賢司は変わりばえのしない仕事に燃え尽きぎみ。彼女もいて傍目には悪くない生活に見えたが...。フリーターをしていた高校時代の友人・凌一が仲間達とインディーズブランドを立ち上げることになった...
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おぱらばん

堀江敏幸
とりすました石畳の都会から隔たった郊外の街に暮らす私。自らもマイノリティとして日を過ごす傍らで、想いは、時代に忘れられた文学への愛惜の情とゆるやかにむすびつきながら、自由にめぐる。ネイティブのフランス...

1998

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カブキの日

小林恭二
出雲の阿国以来四依頼百余年の歴史を持つ歌舞伎は変革期を迎えようとしていた。 革新を目指すのか、保守として伝統を重んじるのか。 二つの勢力が拮抗する中、年に一度の「カブキの日」を迎えた。狂言作者の祖父に...

1997

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三絃の誘惑―近代日本精神史覚え書―

樋口覚

1996

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折口信夫論

松浦寿輝
主著『死者の書』に代表される折口の幻惑的な世界。著者は「ふと折口みたいな文章が書けたらと夢見てしまう心の弱さを自分の中で力まかせに抑圧してしまうことをせず...折口の言葉そのものの中で折口から遠ざかろ...

1995

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緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道

山本昌代

1994

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二百回忌

笙野頼子

1993

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鹽壺の匙

車谷長吉
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日本の家郷

福田和也
著者は、彷徨の果てに幻影としての日本を見た倭建命、出発も到着も奪われた「くらい」小説を書き続けた徳田秋声、覗き穴の向こうに彼方を見出した永井荷風らの彷徨に家郷を見る。「みやび」を「離宮」に囲った後水尾...

1991

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ア・ルース・ボーイ

佐伯一麦
性悪な英語教師をブン殴って県下有数の名門進学校・I高を中退した17歳の斎木鮮は、中学時代の恋人だった幹とアパートで一緒に暮らし始める。幹もまた父親の分からない子を産んだばかりで女子高を退学していた。さ...

1990

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世紀末鯨鯢記

久間十義

1989

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黄昏のストーム・シーディング

大岡玲
同時代の社会と人間の実相を真摯に見つめつづけた「行動する作家」の世界を、第一線の作家・批評家が論じる。...

1988

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優雅で感傷的な日本野球

高橋源一郎
一九八五年、阪神タイガースは本当に優勝したのだろうか――イチローも松井もいなかったあの時代、言葉と意味の彼方に新しいリリシズムの世界を切りひらいた第一回三島由紀夫賞受賞作が新装版で今甦る。...