群像新人文学賞

2018

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美しい顔

北条裕子
未曾有の災害に襲われた町。高校生のサナエは、幼い弟を連れて避難所に身を寄せていた。混乱の中、押し寄せるマスコミの取材にねじれた高揚感を抱くサナエ。だがいつまでも目を背け続けるわけにはいかない、いつか訪...

2016

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ジニのパズル

崔実
東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれた、朝鮮語がわからないまま、過ごした朝鮮学校での日々。居場所...

2015

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十七八より

乗代雄介
過去を振り返る時、自分のことを「あの少女」と呼ぶことになる。――叔母との対話、国語教師との秘密めいた関係、少女がつける読書ノート……高校二年生の少女が過ごす初夏の1ヵ月を繊細にして凝縮された文体と仕掛...

2014

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吾輩ハ猫ニナル

横山悠太
「最後の選考の機会にこれほどの候補作と出会えたことは僥倖だったと言える」阿部和重氏、「馬鹿馬鹿しくも可笑しい結末の、『感動の物語』を嘲笑う姿勢も頼もしい」奥泉光氏、「創造性と批評精神にみちた作品である...

2012

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架空列車

岡本学
他者との関係を作ることができず、仕事も失った「僕」は、ひとり東北の町に逃げる。そこで「僕」は、架空の鉄道路線を妄想の中で造ることに熱中する。緻密な計算と実地見分を繰りかえし、理想の鉄道が出来上がったと...

2011

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美しい私の顔

中納直子

2010

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朝が止まる

淺川継太
「世にも奇妙な物語2013年秋の特別編」原作「水を預かる」収録!食べちゃいたいほど愛してる―。「究極の恋愛」を描く、衝撃のホラー・ファンタジー。...

2009

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カメレオン狂のための戦争学習帳

丸岡大介
独身教員のための「修身寮」に入寮した田中。彼に課せられた任務は、寮の内情をレポートする、それだけのはずだった―。見えない「戦争」に次第に組み込まれてゆく高校教師の煩悶を、饒舌な文体と不穏な緊張感で描く...

2008

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子守唄しか聞こえない

松尾依子
山と海に囲まれた田舎町に暮らす女子高生、美里。理由なきいらだちと閉塞感を抱えている美里の日常は、男子生徒4人に囲まれ、一見満ち足りて見えた。「愚鈍な真沙子」が美里を羨み、鬱陶しくつきまとってくるまでは...

2007

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アサッテの人

諏訪哲史
吃音による疎外感から凡庸な言葉への嫌悪をつのらせ、孤独な風狂の末に行方をくらました若き叔父。彼にとって真に生きるとは「アサッテ」を生きることだった。世の通念から身をかわし続けた叔父の「哲学的奇行」の謎...

2006

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無限のしもべ

木下古栗
古栗フリーク続出!これ以上ない端正な日本語と繊細な描写、文学的技巧を尽くして、もはや崇高な程の下ネタや不条理な暴力、圧倒的無意味を描く孤高の天才作家、初の短篇集。...
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憂鬱なハスビーン

朝比奈あすか
東大卒、有名企業に就職し、弁護士の夫を持つ29歳の私。結婚して仕事は辞めたけれど、優しい夫と安定した生活がある。なのになぜこんなに腹が立つんだろう? ある日再会した、かつて神童と呼ばれた同級生。その話...

2005

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さよなら アメリカ

樋口直哉
ぼくは袋を被って生活している。袋の後ろには「SAYONARAアメリカ」というロゴが。噂で聞いた、袋族の少女と出会うために、ぼくは街を彷徨う。突然現れた、異母弟を名乗る男との共同生活。巡り会うことのでき...

2004

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狐寝入夢虜

十文字実香
現代社会に女性として存在することの新しい難しさ。ひとりぼっち―この世界のたった一つの哀しみを、深く潔い語りの力で描く、魅力的な才能の登場!第四十七回群像新人文学賞受賞作。...

2003

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火薬と愛の星

森健

2002

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ジャイロ!

早川大介
気鋭の才能が、いま輝きだす。第四十五回群像新人文学賞受賞。...
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死せる魂の幻想

寺村朋輝
第四十五回群像新人文学賞受賞。現役京大生が放つ才気溢れる逸品。...

2000

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(世界記録)

横田創
世界を写生=記録→サンプリングする文学。大型新人のデビュー作。群像新人文学賞受賞作。...

1997

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秒速10センチの越冬

岡崎祥久
おれのくそったれな労働の日々。群像新人賞受賞作。...

1994

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アメリカの夜

阿部和重
「重要なのは、いつおこるともわからぬ闘争へむけて自身を鍛えぬくことだ」 文学の最前線を疾走する芥川賞作家・阿部和重のデビュー作、ついに電子化! 映画学校出身の若者・中山唯生(ただお)は、フリーター生活...

1991

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かかとを失くして

多和田葉子
九時十七分着の夜行列車で中央駅のホームへ降りた、遠い国から来た私。なぜか周囲からかかとを笑われながら、書類結婚をした男の住む十七番地のアパートで、扉に隠れて姿を見せない夫との奇妙な生活が始まる。ドイツ...

1990

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コンビニエンス ロゴス

高野亘

1987

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あなたについて わたしについて

下井葉子
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ポートレイト・イン・ナンバー

鈴木隆之

1986

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復活祭のためのレクイエム

新井千裕
<言語>と<笑い>にあふれる、群像新人賞受賞作。――窮極のキャッチフレーズ「買って」! これをオカマのセーラちゃんに教えられた、コピーライターの僕。あらゆる言葉になることができたし、あらゆる物になるこ...

1984

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ダミアンズ、私の獲物

華城文子

1983

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草のかんむり

伊井直行
カエルにされてしまった僕の哀しい愛の物語。曽祖父のうらみでカエルに変身してしまった僕は、やさしい麦子に助けられた。でもグリム童話みたいに素敵な王子様になれるだろうか? 群像新人文学賞受賞作品。...

1981

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極楽

笙野頼子

1979

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風の歌を聴け

村上春樹
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知...

1978

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海を感じる時

中沢けい
《海は暗く深い女たちの血にみちている。私は身体の一部として海を感じている。……》 年上の男子生徒とのセックスの体験を鋭利な感覚で捉えて、身体の芯が震える程の鮮烈な感銘を与えた秀作。作家の出発を告げた群...

1976

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限りなく透明に近いブルー

村上龍
米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく―。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継...

1975

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祭りの場

林京子
如何なれば膝ありてわれを接(うけ)しや──。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす、林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受...

1974

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迪子とその夫

飯田章
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退屈しのぎ

高橋三千綱
アメリカ留学中の純一・23歳。急な坂の途中に建つ、ボロアパートに住む。坂の上には、老人が一人いつも陽なたぼっこをしている、公園。そこを隣人ボブは、サンセットパークと名づけた。底が抜けたような青いカリフ...

1971

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髪の花

小林美代子

1969

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またふたたびの道

李恢成
日本の敗戦による、サハリンからの辛うじての帰国。劇変する状況、分断された祖国、一家離散の家族の悲劇。群像新人賞受賞の出世作「またふたたびの道」および、母を描く感動の名作で芥川賞受賞作「砧をうつ女」、父...

1968

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三匹の蟹

大庭みな子
『大型新人』として登場以来25年、文学的成熟を深めて来た大庭みな子の、あらためてその先駆性を刻印する初期世界。群像新人賞・芥川賞両賞を圧倒的支持で獲得した衝撃作「三匹の蟹」をはじめ、「火草」「幽霊達の...

1965

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砂の関係

黒部亨
織田信長に仕えたものの、あらぬ謀叛の嫌疑をかけられ、やむなく反旗を翻した荒木村重。戦国武将の心の葛藤を描いた傑作歴史小説。...

1964

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どくだみ

三好三千子

1963

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重い車

文沢隆一