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切れた鎖

田中慎弥

海峡の漁村・赤間関を、コンクリの町に変えた桜井の家。昔日の繁栄は去り、一人娘の梅代は、出戻った娘と孫娘の3人で日を過ごす。半島から流れついたようにいつの間にか隣地に建った教会を憎悪しながら...。因習に満ちた共同体の崩壊を描く表題作ほか、変態する甲虫に社会化される自己への懐疑を投影した「蛹」など、ゼロ年代を牽引する若き実力作家の川端賞・三島賞同時受賞作。

田中慎弥

田中 慎弥(たなか しんや、1972年(昭和47年)11月29日 - )は、日本の小説家。2005年(平成17年)に『冷たい水の羊』で第37回新潮新人賞を受賞後、いくつかの文学賞受賞を経て、2012年(平成24年)に『共喰い』で第146回(平成23年/2011年下半期)芥川賞を受賞した。 == 来歴 == === 生い立ち === 山口県下関市出身。4歳の頃に父を亡くし、母親と二人暮らしで育つ。中学生頃から、父の遺した蔵書に親しみ、司馬遼太郎や松本清張の作品を愛読する。また、母に買ってもらった文学全集も好んで読み、特に川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫の作品を愛読した。その後、山口県立下関中央工業高等学校に進学した。高等学校を卒業後、大学を受験するも不合格となる。
誕生(1972-11-29) 1972年11月29日(47歳) 山口県下関市
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴山口県立下関中央工業高等学校
活動期間2005年 -
ジャンル小説
代表作『蛹』(2007年)『共喰い』(2011年)『ひよこ太陽』(2019年)
主な受賞歴新潮新人賞(2005年)川端康成文学賞(2008年)三島由紀夫賞(200
デビュー作『冷たい水の羊』(2005年)