cover

アメリカの夜

阿部和重

「重要なのは、いつおこるともわからぬ闘争へむけて自身を鍛えぬくことだ」 文学の最前線を疾走する芥川賞作家・阿部和重のデビュー作、ついに電子化! 映画学校出身の若者・中山唯生(ただお)は、フリーター生活を続けながらブルース・リーが生み出した武道・截拳道(ジークンドー)の修練に励んでいた。 あるとき彼は、映画学校時代のライバル・武藤が撮った自主制作映画に映っていた女優・ツユミの姿に心を奪われてしまう。 武藤の新作映画でツユミと共演することが決まった彼は、役作りのためによりいっそう過酷な訓練で身体を鍛え、意識を高めていく。 そしてついに訪れた撮影当日、驚愕の事件が撮影現場を襲う! いったい撮影現場に何が起こったのか?? 愛に燃える唯生は無事ツユミと共演することができたのか!? プルースト、ディック、セルバンテス、大西巨人、そしてトリュフォー…… 文学と映画の膨大な引用とともに語られる、「特別な存在」を目指すすべての人のための物語。 第37回群像新人文学賞受賞作。

阿部和重

阿部 和重(あべ かずしげ、1968年9月23日 - )は、山形県東根市神町出身の小説家、映画評論家。 == 経歴 == 日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。演出助手などを経て、1994年に「アメリカの夜」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1997年の『インディヴィジュアル・プロジェクション』で注目をあつめる。テロリズム、インターネット、ロリコンといった現代的なトピックを散りばめつつ、物語の形式性をつよく意識した作品を多数発表している。2004年に『シンセミア』で伊藤整文学賞および毎日出版文化賞を、2005年に「グランド・フィナーレ」で芥川龍之介賞(芥川賞)をそれぞれ受賞。『シンセミア』をはじめ、いくつかの作品には「神町」を中心とする設定上の繫がりがあり、インタビューなどでは《神町サーガ》の構想を語り、『Orga(ni)sm』で完結を迎えた。 == 来歴 == 1968年、山形県東根市に生まれる。
誕生(1968-09-23) 1968年9月23日(52歳) 日本・山形県東
職業小説家・映画評論家
言語日本語
国籍日本
教育専門士
最終学歴日本映画学校
活動期間1994年 -
ジャンル小説・映画評論
代表作『インディヴィジュアル・プロジェクション』(1997年)『シンセミア』(
主な受賞歴群像新人文学賞(1994年)野間文芸新人賞(1999年)伊藤整文学賞(2
デビュー作『アメリカの夜』(1994年)
配偶者川上未映子(2011年 - )