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冬虫夏草

梨木香歩

疏水に近い亡友の生家の守りを託されている、駆け出しもの書きの綿貫征四郎。行方知れずになって半年あまりが経つ愛犬ゴローの目撃情報に加え、イワナの夫婦者が営むという宿屋に泊まってみたい誘惑に勝てず、家も原稿もほっぽり出して分け入った秋色いや増す鈴鹿の山襞深くで、綿貫がしみじみと瞠目させられたもの。それは、自然の猛威に抗いはせぬが心の背筋はすっくと伸ばし、冬なら冬を、夏なら夏を生きぬこうとする真摯な姿だった。人びとも、人間にあらざる者たちも…。『家守綺譚』の主人公にして新米精神労働者たる綿貫征四郎が、鈴鹿山中で繰り広げる心の冒険の旅。

梨木香歩

梨木 香歩(なしき かほ、1959年 (昭和34年-)は、日本の児童文学作家、絵本作家、小説家。 == 来歴・人物 == 鹿児島県出身。同志社大学卒業。イギリスに留学し、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事する。ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』を愛読書の1つにしており、新潮社より刊行されたガルシア=マルケス全小説の『百年の孤独』の解説を担当した。カヤックの愛好者でもある。時に宗教への思いが強く表れるが、特定の宗教には帰依していない。 == 受賞歴 == 『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を受賞 『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞を受賞 『家守綺譚』で本屋大賞3位入賞 『沼地のある森を抜けて』で第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞大賞を受賞。
誕生鹿児島県
最終学歴同志社大学
活動期間1994年から現在
代表作西の魔女が死んだ
デビュー作西の魔女が死んだ