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定価のない本

門井 慶喜

神田神保町ー江戸時代より旗本の屋敷地としてその歴史は始まり、明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十二年の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から一年が経ち復興を遂げつつあった。活気をとり戻した街の一隅で、ある日ひとりの古書店主が人知れずこの世を去る。男は崩落した古書の山に圧し潰されており、あたかも商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合いがあった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受けるが、間もなく事故現場では不可解な点が見付かる。行方を眩ました被害者の妻、注文帳に残された謎の名前ーさらには彼の周囲でも奇怪な事件が起こるなか、古書店主の死をめぐる探偵行は、やがて戦後日本の闇に潜む陰謀を炙りだしていく。直木賞作家の真骨頂と言うべき長編ミステリ。

門井 慶喜

門井 慶喜(かどい よしのぶ、1971年11月2日 -)は、日本の小説家、推理作家。 群馬県桐生市生まれ。同志社大学文学部文化学科文化史学専攻(現・文学部文化史学科)卒業。 == 略歴 == 出生は群馬県だが、3歳のときに転居した栃木県宇都宮市で育つ。宇都宮市立城山東小学校から宇都宮市立国本中央小学校を経て、宇都宮市立国本中学校、栃木県立宇都宮東高等学校、同志社大学文学部文化学科文化史学専攻(現・文学部文化史学科)卒業。 大学卒業後、1994年から2001年まで宇都宮市にキャンパスのある帝京大学理工学部で職員として勤務。初めて文学賞に応募したのは2000年の創元推理短編賞。 2003年「キッドナッパーズ」で第42回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。
誕生(1971-11-02) 1971年11月2日(48歳) 日本 埼玉県羽
職業小説家推理作家
言語日本語
国籍日本
教育学士
最終学歴同志社大学文学部文化学科文化史学専攻
活動期間2003年 -
ジャンル小説、評論
主な受賞歴オール讀物推理小説新人賞(2003年)直木三十五賞(2018年)
デビュー作「キッドナッパーズ」(2003年)