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草々不一

朝井 まかて

「紛者」助太刀を頼まれた、牢人者の信次郎。頼まれたら断れないのが、武士だが。「青雲」立身する者と、できぬ者。分かれ道を説く上司に悩まされ。「蓬莱」大身の旗本家へ婿入りしたはいいが、妻から三つの約束をさせられて。「一汁五菜」刀ではなく包丁で仕える江戸城の料理人が、裏稼ぎに精を出す。「妻の一分」大石内蔵助の妻、りくにとっての忠臣蔵を、そばで見守った者がいた。「落猿」藩の外交官である江戸留守居役が、公儀との駆け引きの最中に。「春天」剣術指南所の娘と二刀流の修行人。剣で心を通わせた二人の行末は。「草々不一」漢字を読めない隠居侍が、亡き妻の手紙を読むため手習塾に通い始める。身分としきたりに縛られた、武家の暮らし。仇討ち、就活、婿入り、剣術、罪と罰…。切なくも可笑しい、人生の諸相を描く。デビュー10周年記念、練達の時代小説短編集。

朝井 まかて

朝井 まかて(あさい まかて、1959年8月15日 - )は、日本の小説家。女性。大阪府羽曳野市生まれ。甲南女子大学文学部国文学科卒業。ペンネームは沖縄県出身の祖母・新里マカテの名に由来する。 == 略歴 == 広告制作会社でコピーライターとして勤務した後に独立。2006年より大阪文学学校で学ぶ。2008年、『実さえ花さえ』(応募時のタイトルは「実さえ花さえ、その葉さえ」)で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し小説家デビューする。
誕生(1959-08-15) 1959年8月15日(61歳) 日本・大阪府羽
職業小説家
教育学士(文学)
最終学歴甲南女子大学文学部国文学科卒業
活動期間2008年 -
ジャンル時代小説
主な受賞歴小説現代長編新人賞奨励賞(2008年)本屋が選ぶ時代小説大賞2013直木
デビュー作『実さえ花さえ』(2008年)