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笑う月

安部 公房

笑う月が追いかけてくる。直径1メートル半ほどの、オレンジ色の満月が、ただふわふわと追いかけてくる。夢のなかで周期的に訪れるこの笑う月は、ぼくにとって恐怖の極限のイメージなのだー。交錯するユーモアとイロニー、鋭い洞察。夢という“意識下でつづっている創作ノート”は、安部文学生成の秘密を明かしてくれる。表題作ほか著者が生け捕りにした夢のスナップショット全17編。
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安部 公房

安部 公房 (あべ こうぼう、1924年 (大正13年) 3月7日 - 1993年 (平成5年) 1月22日) は、日本の小説家、劇作家、演出家。本名は公房 (きみふさ)。 == 概要 == 東京府で生まれ、満洲で少年期を過ごす。高校時代からリルケとハイデッガーに傾倒していたが、戦後の復興期にさまざまな芸術運動に積極的に参加し、ルポルタージュの方法を身につけるなど作品の幅を広げ、三島由紀夫らとともに第二次戦後派の作家とされた。作品は海外でも高く評価され、世界30数か国で翻訳出版されている。 主要作品は、小説に『壁 - S・カルマ氏の犯罪』 (芥川賞受賞)、『砂の女』 (読売文学賞受賞)、『他人の顔』、『燃えつきた地図』、『箱男』、『密会』など、戯曲に『友達』、『榎本武揚』、『棒になった男』、『幽霊はここにいる』などがある。演劇集団「安部公房スタジオ」を立ちあげて俳優の養成にとりくみ、自身の演出による舞台でも国際的な評価を受けた。晩年はノーベル文学賞の有力候補と目された。
誕生安部 公房 (あべ きみふさ)1924年3月7日 日本・東京府北豊島郡滝
死没(1993-01-22) 1993年1月22日(68歳没) 日本・東京都
墓地日本・上川霊園
職業小説家劇作家演出家
言語日本語
国籍日本
教育学士 (医学)
最終学歴東京大学医学部卒業
活動期間1948年 - 1993年
ジャンル小説戯曲
文学活動第二次戦後派シュルレアリスム
代表作『壁』 (1951年)『第四間氷期』 (1959年)『砂の女』 (196
主な受賞歴戦後文学賞 (1950年)芥川龍之介賞 (1951年)岸田演劇賞 (19
デビュー作『終りし道の標べに』 (1948年)
配偶者安部真知子 (安部真知) (1947年 - 1993年)
子供安部ねり (長女)