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奇貨

松浦理英子

男友達もなく女との恋も知らない変わり者の中年男・本田をとらえたのは、レズビアンの親友・七島の女同士の恋と友情だった。女たちの世界を観察することに無上の喜びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれ…。熱い魂の脈動を求めてやまぬ者の呻吟を全編に響かせつつ、男と女、女と女の交歓を繊細に描く友愛小説「奇貨」と、著者26歳の時に書かれた危うい思春期小説を併録。

松浦理英子

松浦 理英子(まつうら りえこ、1958年8月7日 - )は、日本の小説家。 == 来歴・人物 == 愛媛県松山市生まれ。父親の勤務の関係で、幼少期を四国地方の各地で過ごす。中学生の時に香川県丸亀市に移り、丸亀西中学から大手前高校を経て、青山学院大学文学部仏文科を卒業。10代よりマルキ・ド・サド、ジャン・ジュネなどを愛読し、仏文科を志望したのもジュネを原語で読むためであった。大学在学中の1978年、「泣き屋」と「笑い屋」との奇妙な交流を描く「葬儀の日」で文學界新人賞を受賞、芥川賞候補になる。1987年、レズビアンを描いた『ナチュラル・ウーマン』が中上健次の絶賛を受け注目される。 1993年11月、河出書房新社より長編小説『親指Pの修業時代』を上下巻で刊行。
誕生(1958-08-07) 1958年8月7日(62歳) 日本・愛媛県松山
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴青山学院大学仏文科
活動期間1978年 -
ジャンル小説
主題ジェンダー
代表作『ナチュラル・ウーマン』(1987年)『親指Pの修業時代』(1993年)
主な受賞歴文學界新人賞(1978年)女流文学賞(1994年)読売文学賞(2008年
デビュー作『葬儀の日』(1978年)