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包む

幸田 文/荒川 洋治

季節と詩情が常に添う父露伴の酒、その忘られぬ興趣をなつかしむ「蜜柑の花まで」。命のもろさ、哀しさをさらりと綴る「鱸」、「紹介状」「包む」「結婚雑談」「歩く」「ち」「花」等、著者の細やかさと勁さが交錯する二十九篇。「何をお包みいたしましょう」。子供心にも浸みいったゆかしい言葉を思い出しつつ、包みきれない“わが心”を清々しく一冊に包む、珠玉のエッセイ集『包む』。
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幸田 文/荒川 洋治

幸田 文(こうだ あや、1904年〈明治37年〉9月1日 - 1990年〈平成2年〉10月31日)は、日本の随筆家・小説家。東京都生まれ。幸田露伴次女。女子学院卒。父露伴の死後、『雑記』『終焉』『葬送の記』などの回想文で文壇に登場。のち小説も書き、『黒い裾』『流れる』などで高い評価を得た。繊細な感性と観察眼、江戸前の歯切れの良い文体が特徴。折々の身辺雑記や動植物への親しみなどを綴った随筆の評価も高く、『こんなこと』『みそっかす』や、没後刊行された『崩れ』『木』などの多数の作品集があり、永い人気を保っている。
誕生1904年9月1日 日本 東京府南葛飾郡寺島村(現・東京都墨田区)
死没(1990-10-31) 1990年10月31日(86歳没) 日本 茨城
墓地池上本門寺(東京都大田区)
職業小説家、随筆家
言語日本語
国籍日本
活動期間1947年 - 1990年
ジャンル小説、随筆
主題露伴研究の資料の編集
代表作『こんなこと』(1950年)『みそっかす』(1951年)『黒い裾』(19
主な受賞歴読売文学賞(1956年)新潮社文学賞(1956年)日本芸術院賞(1957
デビュー作『雑記』(1947年)
配偶者三橋幾之助(1928年 - 1938年)
子供青木玉(長女)
親族幸田露伴(父親)青木奈緒(孫、玉の長女)高木卓(従弟)