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凡庸な芸術家の肖像 下 マクシム・デュ・カン論

蓮實 重彦

“凡庸”は人類にとっていささかも普遍的な概念ではなく、ある時期に「発明」された優れて歴史的な現実であり、その歴史性はいまなおわれわれにとって同時代のものだー一八四八年の二月革命、ルイ=ナポレオンのクーデタ及び第二帝政への移行が、なぜ私たちの現実に影を落としているのか。スリリングな論考はマクシムの“凡庸”な生涯と交叉しつつ、大団円を迎える。芸術選奨文部大臣賞受賞。

蓮實 重彦

蓮實 重彥(はすみ しげひこ、1936年(昭和11年)4月29日 - )は、日本の文芸・映画評論家、フランス文学者、小説家。専攻は表象文化論。 東京大学文学部仏語仏文科を卒業後、同大学院を経て、パリ大学で博士号を得る。第26代東京大学総長(1997年-2001年)。父は美術史学者・蓮實重康。身長182cm。 == 経歴 == === 1930~50年代 === 1936年 - 東京府(現・東京都)麻布区(現・港区)六本木町(現・六本木)に生まれる。父は美術史家の蓮實重康。