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アルタッドに捧ぐ

金子薫

「本間は、作中で少年の死体が発見された今日この日まで、少年が死を選ぶなど、露ほども考えてはいなかった。」大学院を目指すという名目のもと、亡き祖父の家で一人暮らしをしながら小説を書いている本間。ある日、その主人公であるモイパラシアが砂漠で死んだー。彼の意図しないところで。原稿用紙の上に無造作に投げ出された少年の左腕。途方にくれながらも本間が、インクが血のように滴る左腕を原稿用紙に包み庭に埋めようとした時、現れたのは少年が飼育していたトカゲの「アルタッド」だった。幻想的かつ圧倒的にリアルな手触りを持つシームレスな小説世界と、その独自の世界観を支える完成された文体、そして「書くこと」の根源に挑んだ蛮勇に選考委員が驚愕した「青春小説」の誕生!第51回文藝賞受賞作!

金子薫

金子 薫(かねこ かおる、1990年 - )は、日本の小説家。男性。 == 経歴・人物 == 神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業後、同大学大学院文学研究科仏文学専攻に在籍中の2014年、第51回文藝賞を「アルタッドに捧ぐ」で受賞しデビュー。2018年、(池田晶子記念)わたくし、つまり Nobody賞受賞、『双子は驢馬に跨がって』で第40回野間文芸新人賞受賞。2019年、「壺中に天あり獣あり」で第32回三島由紀夫賞候補。
誕生(1990-05-16) 1990年5月16日(30歳) 日本 神奈川県
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴慶應義塾大学文学部仏文学専攻
主な受賞歴第51回文藝賞(2014年)第40回野間文芸新人賞(2018年)
デビュー作「アルタッドに捧ぐ」