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嵯峨野明月記

辻邦生

〈嵯峨本〉は、開版者角倉素庵の創意により、琳派の能書家本阿弥光悦と名高い絵師俵屋宗達の工夫が凝らされた、わが国の書巻史上燦然と輝く豪華本である。17世紀、豊臣氏の壊滅から徳川幕府が政権をかためる慶長・元和の時代。変転きわまりない戦国の世の対極として、永遠の美を求めて〈嵯峨本〉作成にかけた光悦・宗達・素庵の献身と情熱と執念。芸術の永遠性を描く、壮大な歴史長篇。

辻邦生

辻 邦生(つじ くにお、1925年(大正14年)9月24日 - 1999年(平成11年)7月29日)は、日本の小説家、フランス文学者。 == 来歴・人物 == 東京市本郷区駒込西片町に生まれる。父はジャーナリストで薩摩琵琶の伴奏家・辻靖剛、母は鹿児島県の医家の出身。辻家の本籍地は山梨県東八代郡春日居町国府(現笛吹市)で、代々の医家。9月24日生まれだったことから、「くにお」と名付けられる。 1930年(昭和5年)に名古屋へ転居し、1932年(昭和7年)に東京へ戻り、赤坂区に住む。赤坂小学校から旧制日大三中を経て、湯河原に疎開時に一浪し、1944年(昭和19年)に旧制松本高等学校理科乙類へ入学、翌1945年(昭和20年)には文科乙類へ転科し、信州大学となった1949年(昭和24年)まで過ごした。この間、1945年6月、寮生活において斎藤宗吉(北杜夫)と知り合い終生交流し、回覧雑誌や句会を行い、演劇にも親しみ脚本執筆、出演もした。
誕生1925年9月24日 日本・東京市本郷区
死没(1999-07-29) 1999年7月29日(73歳没) 日本・長野県
墓地多磨霊園
職業小説家・仏文学者
言語日本語
国籍日本
教育修士(文学)
最終学歴東京大学大学院仏文科
活動期間1963年 - 1999年
ジャンル小説・随筆・評論
代表作『廻廊にて』 (1963年)『夏の砦』(1966年)『安土往還記』 (1
主な受賞歴近代文学賞(1963年)芸術選奨新人賞(1969年)毎日芸術賞(1973
デビュー作『廻廊にて』(1963年)