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故郷

水上勉

NYの日本料理店で成功をおさめた芦田夫妻は、三十年ぶりに帰国。老後をふるさと若狭で暮らしたいと考えたからだった。だが、美しかった里は、原発銀座へと変容し、過疎化の問題を抱えていた。大自然につつまれて安らかに逝きたいと願う夫婦が、ふるさととの再会で見たものはー。急激に変貌する日本に戸惑いながらも、安息の地を探し求める一族の物語。
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水上勉

水上 勉(みずかみ つとむ、1919年3月8日 - 2004年9月8日)は、日本の小説家。福井県大飯郡本郷村(現:おおい町)生まれ。社会派推理小説『飢餓海峡』、少年時代の禅寺での修行体験を元にした『雁の寺』、伝記小説『一休』などで知られる。当初は「みなかみ」と呼ばれていたが、のちに戸籍名通りの「みずかみ」と読みを改めている。 == 生涯 == === 生い立ち === 福井県の棺桶造りや宮大工をしていた家に生まれ、5人兄弟の次男として育った。生家は乞食谷(こじきだん)と呼ばれる谷の上にあり、そこは死体を埋める谷のとば口で、一家は地元の素封家の所有する薪小屋に住んでいた。8歳の時には北丹後大震災に逢い、家から茶畑に避難する経験をした。当時京都の臨済宗寺院相国寺塔頭、瑞春院の住職になった山盛松庵が、若狭で酒井家賞を受けた子供から小僧をとろうとして選ばれ、貧困もあって、9歳の時に京都の伯父の元に送られ、10歳の時に正式に瑞春院に入った。
誕生1919年3月8日 福井県大飯郡本郷村(現:おおい町)
死没(2004-09-08) 2004年9月8日(85歳没) 長野県東御市
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴立命館大学国文科中退
活動期間1947年 - 2004年
代表作『雁の寺』(1961年)『五番町夕霧楼』(1963年)『越前竹人形』(1
主な受賞歴日本探偵作家クラブ賞(1961年)直木三十五賞(1961年)菊池寛賞(1