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小さな部屋・明日泣く

色川 武大

杤ちかけた貸部屋に我物顔に出入りする猫、鼠、虫達。いつしか青年は、凄まじい“部屋”を自分と同じ細胞をもつ存在と感じ熱愛し始めるー没後一〇年目に発見された色川武大名義の幻の処女作「小さな部屋」、名曲“アイル・クライ・トゥモロウ”そのままの流転の人生を辿る女を陰影深く描く「明日泣く」等一二篇。戦後の巷を常に無頼として生きながら、文学への志を性根にすえて書いた色川武大の原質とその変貌を示す精選集。

色川 武大

色川 武大(いろかわ たけひろ、1929年3月28日 - 1989年4月10日)は、日本の小説家、エッセイスト、雀士。筆名として色川 武大(いろかわ ぶだい)、阿佐田 哲也(あさだ てつや)、井上 志摩夫(いのうえ しまお)、雀風子を名乗った。阿佐田哲也名義では麻雀小説作家として知られる。 == 略歴 == 東京府東京市牛込区(現・東京都新宿区)矢来町生まれ。祖父の色川圀士は文部官僚。分家筋に衆院議員の色川三郎兵衛がいる。 父親は40代の若さで退役した海軍大佐であった。武大は、父が44歳のときに初めて生まれた長男であった。
誕生1929年3月28日東京府東京市牛込区(現・東京都新宿区)
死没1989年4月10日(満60歳没)宮城県栗原郡瀬峰町(現・栗原市)宮城県
職業小説家、随筆家
国籍日本
代表作『麻雀放浪記』(1969-72年)『怪しい来客簿』(短編集,1977年)
主な受賞歴泉鏡花文学賞(1977年) 直木三十五賞(1978年)川端康成文学賞(1