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広場の孤独・漢奸その他

堀田善衛

朝鮮戦争勃発にともない雪崩のように入ってくる電文を翻訳するため、木垣はある新聞社で数日前から働いている。そこには「北朝鮮軍」を“敵”と訳して何の疑いを持たぬ者がいる一方、良心に基づき反対の側に立とうとする者もいた。ある夜、彼は旧オーストリー貴族と再会し、別れた後ポケットに大金を発見する。この金は一体何か。歴史の大きな転換期にたたずむ知識人の苦悩と決断。日本の敗戦前後の上海を描く「漢奸」併収。
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堀田善衛

堀田 善衛(ほった よしえ、1918年(大正7年)7月7日 - 1998年(平成10年)9月5日)は、日本の小説家、評論家。中国国民党宣伝部に徴用された経験をもとにした作品で作家デビューし、1951年に芥川賞受賞。 == 来歴・人物 == 富山県高岡市出身。父は富山県会議長の堀田勝文、母は大正年間に富山県で初めて保育所を創設した堀田くに。経済学者で慶應義塾大学商学部名誉教授の堀田一善は甥にあたる。生家は伏木港の廻船問屋であり、当時の北前船の日本海航路の重要な地点であったため、国際的な感覚を幼少時から養うことができた。 1936年、旧制金沢二中から慶應義塾大学政治科予科に進学。1940年、文学部仏文科に移り、卒業。
誕生1918年7月7日 日本・富山県高岡市
死没(1998-09-05) 1998年9月5日(80歳没) 日本・神奈川県
墓地東慶寺
職業小説家評論家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴慶應義塾大学仏文科
活動期間1948年 - 1998年
ジャンル小説評論
文学活動第二次戦後派
代表作『広場の孤独』(1951年)『時間』(1953年)『海鳴りの底から』(1
主な受賞歴芥川龍之介賞(1952年)毎日出版文化賞(1971年)大佛次郎賞(197
デビュー作『祖国喪失』(1948~1950)『広場の孤独』(1951年)
配偶者堀田玲子(妻)