惜
宇野 浩二/松永 延造
大雪の積もった朝、写生旅行に出た洋画家・島木は、ただならぬ画境の深まりを見せる旧友のことが頭から離れない。遺作に刻まれた芸術家の魂(宇野浩二『枯木のある風景』)。月影の夜、病んだ友人は横笛を鳴らす。横浜外国人居留地で「私」が看取ったインド人との思い出(松永延造『ラ氏の笛』)。五年前、交通事故で世を去った三男の、あどけない顔が今も目に浮かぶー。十九年の生涯に手向けられた父の心(洲之内徹『赤まんま忌』)。敬愛と慈しみにみちた、それぞれの惜別。
誕生 | 1891年7月26日福岡県福岡市南湊町 |
死没 | (1961-09-21) 1961年9月21日(70歳没) |
職業 | 小説家 |
最終学歴 | 早稲田大学英文科中退 |
代表作 | 『蔵の中』(1919年)『苦の世界』(1919-21年)『子を貸し屋』( |