cover

ショッピングモールから考える

東浩紀/大山顕

地方や郊外に乱立するショッピングモールは、これまで地元商店街の敵であり、コミュニティ荒廃の象徴とされてきた。しかし、果たしてそうだろうか?実際は、小さな子どものいる家族や高齢者にも優しい公共空間としての役割を担っている。それは日本だけではない。世界の都市部でも、政治や文化や宗教や階層が異なっても、誰もが同質のサービスを受けられるショッピングモールが、理想の街の姿とされる。差異と格差が進む今こそ、均一であることの価値を見直すべきではないか。ショッピングモールを出発点に、変貌する人間の欲望と社会の見取り図を描く。

東浩紀/大山顕

東 浩紀(あずま ひろき、1971年(昭和46年)5月9日 - )は、日本の批評家、哲学者、小説家。株式会社ゲンロン創業者、取締役。学位は博士(学術)(東京大学・1999年)。 == 人物 == 東京都三鷹市出身。学部時代の専攻分科の名称は科学史・科学哲学、大学院時代の専攻分科の名称は超域文化科学分科であり、「現代思想コース」(哲学、フランス現代思想)あるいは「表象文化論コース」に在籍したと推測され、小林康夫 (表象文化論、現代哲学、フランス現代文学、現代思想が専門) に学ぶ。本人は「現代思想好きのオタク」を自認する。思想系の研究者としての道を歩む中で、情報社会論も専門としているが、正確には社会学者ではない。大学教員としては、東京大学大学院情報学環客員助教授、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター副所長・教授、東京工業大学世界文明センター人文学院特任教授、早稲田大学文学学術院教授などを歴任している。