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あおなり道場始末

葉室麟

坪内藩の城下町にある青鳴道場は存亡の危機にあった。先代の不名誉な死と、跡を継いだ長男の権平の昼行燈ぶりから、ついには門人が一人もいなくなってしまったのである。米櫃も底をついたある日、妹の千草や弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。「父の仇を捜すために道場破りをいたす」。酔って神社の石段で足を滑らせ亡くなったとされる先代の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。三人は、道場再興と父の汚名を雪ぐため、藩内の道場の門をひとつずつ叩いていく。

葉室麟

葉室 麟(はむろ りん、1951年1月25日 - 2017年12月23日)は、日本の小説家。福岡県北九州市小倉生まれ。本名・本畑雄士。 == 概要 == 福岡県立明善高等学校卒業。西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業。地方紙記者、ラジオニュースデスク等を経て、2005年に江戸時代元禄期の絵師尾形光琳と陶工尾形乾山の兄弟を描いた『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞を受賞。 50歳から創作活動に入り、4年後に文壇デビューを果たした。2007年、『銀漢の賦』で第14回松本清張賞を受賞する。
誕生(1951-01-25) 1951年1月25日福岡県北九州市小倉
死没(2017-12-23) 2017年12月23日(66歳没)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業
活動期間2005年 - 2017年
ジャンル時代小説
代表作『蜩ノ記』
主な受賞歴歴史文学賞(2005年)松本清張賞(2007年)直木三十五賞(2012年
デビュー作『乾山晩愁』(2005年)