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桜桃とキリスト(上)

長部 日出雄

『辻音楽師の唄』に続く“全盛期の太宰治”を描いた傑作評伝。恩師・井伏鱒二の紹介による妻・美知子との出逢いから、戦後の作家としての絶頂期と玉川上水心中までの太宰治の作品背景と後半生を活写した完結編の上巻。創作活動に美知子夫人が果たした役割、女性一人称で綴られた「女生徒」での新境地、井伏鱒二との師弟関係、そしてキリスト教の影響など、太平洋戦争突入前後の時代までの太宰治を、同じ津軽地方出身で直木賞作家である長部日出雄が、特別な愛情と深い理解を両輪にして、著者ならではの視点で描く。太宰の青春期を描いた『辻音楽師の唄』に続く太宰治伝。

長部 日出雄

長部 日出雄(おさべ ひでお、1934年9月3日 - 2018年10月18日)は、日本の小説家、評論家。 == 人物 == 青森県弘前市出身。故郷である津軽についての小説、エッセイを多数、発表。また津軽出身の棟方志功、太宰治らの評伝を執筆。また、監督した映画『夢の祭り』では津軽三味線に熱中する若者達を描いている。近年は、主に評論作品を発表。かつては左派だったが、近年は反共右派の立場を鮮明にして、民主党政権を容共として激しく非難しており、日本は反共の旗を降ろすなと提言している。 ミュージシャンの大友康平は甥。