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造花の蜜(下)

連城三紀彦

その事件は、小川香奈子の息子の圭太が、スーパーで連れ去られそうになった出来事から始まった。幼稚園での信じられない誘拐劇。人質の父親を名乗る犯人。そして、警察を嘲笑うかのような、白昼の渋谷スクランブル交差点での、身代金受け渡し。前代未聞の誘拐事件は、人質の保護により、解決に向かうかのように思われた…。だが、それはこの事件のほんの序章に過ぎなかった。二転、三転する事件の様相は、読者を想像を絶する結末へ導く。読書界で話題沸騰の長篇ミステリ、待望の文庫化。

連城三紀彦

連城 三紀彦(れんじょう みきひこ、1948年1月11日 - 2013年10月19日)は、日本の小説家。真宗大谷派の僧侶。本名は加藤 甚吾(かとう じんご)。 == 経歴 == 愛知県名古屋市出身。愛知県立旭丘高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。 1977年「変調二人羽織」で第3回幻影城新人賞(小説部門)を受賞し、同作が探偵小説専門誌『幻影城』1978年1月号に掲載されデビュー。大胆な仕掛けや叙情性溢れる美文体を用いたトリッキーな作風で評価を得る。その後ミステリ的筆致を心理の機微を表現することに応用した恋愛小説を著すようになり、直木賞を受賞した『恋文』以降は大衆小説に執筆の主軸を移した。
誕生加藤 甚吾(かとう じんご) (1948-01-11) 1948年1月1
死没(2013-10-19) 2013年10月19日(65歳没) 日本・愛知
職業小説家、推理作家
言語日本語
国籍日本
教育学士
最終学歴早稲田大学政治経済学部卒業
活動期間1978年 - 2013年
ジャンル推理小説、恋愛小説、大衆小説
代表作『戻り川心中』(1980年)『恋文』(1984年)
主な受賞歴幻影城新人賞(1978年)日本推理作家協会賞(1981年)吉川英治文学新
デビュー作「変調二人羽織」(1978年)