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十字街

久生 十蘭

しがない画学生の小田孝吉、アメリカでフランス語の講師になることを夢見て貧しい生活に耐えている高松ユキ子、計理士の勉強をしている大学生・佐竹潔、ユキ子を陰で支えている富豪の鹿島与兵衛。なんの落ち度もない4人の日本人が、フランスで疑獄事件や左翼・右翼の権力闘争に巻き込まれ、命の危機にさらされるー。小田が深夜の地下鉄で、怪しい男たちが死体を運ぶところを見てしまったところから、物語は息をもつかせないスピードで疾走していく。実際にあった“スタヴィスキー事件”を題材に、鬼才・久生十蘭が繰り広げるアドベンチャーストーリー。
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久生 十蘭

久生 十蘭(ひさお じゅうらん、1902年4月6日 - 1957年10月6日)は日本の小説家、演出家。北海道函館市出身、本名阿部正雄。推理小説、ユーモア小説、歴史・時代小説、現代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手掛け、博識と技巧的な文体で「多面体作家」「小説の魔術師」と呼ばれた。 == 生涯 == 北海道函館区に、父・小林善之助と母・鑑(戸籍上は「カン」)の長男として生まれる。母方は回漕業を営む家の次女で草月流生花の師匠、父は番頭頭だった(後に離婚)。2歳の時に両親と離れて、回漕業を営む祖父阿部新之助に養育される。1916年春に函館区立寶小学校高等科を卒業して北海道庁立函館中学校(現:北海道函館中部高等学校)に進学するも中退。東京の聖学院中学に編入するが、同年8月に中退した。
誕生1902年4月6日北海道函館区
死没(1957-10-06) 1957年10月6日(55歳没)神奈川県鎌倉市
墓地材木座霊園聖公会廟(鎌倉市)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴パリ市立技芸学校卒業
ジャンル小説
主な受賞歴直木賞(1952年)
デビュー作『蠶』(1926年)