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三匹の蟹

大庭 みな子

異国に暮らす由梨は、夫と自分双方の浮気相手が集うホームパーティーに参加する気になれず、ひとりで外出してしまう。遊園地の民芸館で知り合ったアメリカ男に誘われ、海辺のドライブについて行き、そこで男は、赤いネオンが点滅している宿「三匹の蟹」へ行こうと誘うのだった。果てしない存在の孤独感、そして愛の倦怠が引き起こす生の崩壊を乾いた筆致で描き出した「三匹の蟹」は第59回芥川賞を受賞。「三匹の蟹」以前に執筆された日本人女性留学生の青春への決別を描いた連作「構図のない絵」「虹と浮橋」も併録。

大庭 みな子

大庭 みな子(おおば みなこ、1930年11月11日 - 2007年5月24日)は日本の小説家。本名・美奈子。東京市出身。 == 来歴・人物 == 東京渋谷生れ。海軍軍医の父の転任で、海軍の要地に移り住む。 広島県呉市(呉市二河小学校)、広島県江田島(従道小学校(海軍兵学校内))、愛知県豊川市(豊橋高等女学校(現愛知県立豊橋東高校))、広島県賀茂郡西条町(現東広島市)などで育つ。賀茂高等女学校(現広島県立賀茂高校)在籍時の1945年8月末から原爆投下後の広島市に救援隊として入り、その惨状に強い衝撃を受ける。この時見た被爆地の悲惨な光景が文学的原点となった。
誕生1930年11月11日 日本・東京府
死没(2007-05-24) 2007年5月24日(76歳没)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴津田塾大学学芸学部英文学科卒業
活動期間1968年 - 2007年
ジャンル小説
文学活動内向の世代
代表作『三匹の蟹』 (1968年)『寂兮寥兮(かたちもなく)』(1982年)『
主な受賞歴群像新人文学賞(1968年)芥川龍之介賞(1968年)女流文学賞(197
デビュー作『三匹の蟹』(1968年)