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果てもない道中記 下

安岡 章太郎

『大菩薩峠』は当初の仇討物語からいつしか幽明界もなき世界へと分け入っていく。探索の旅は、龍之助を慕って殺される女たちの業、特異な才能を持つ人物たちの活躍、さらには転向、差別の問題から日本人の原点まで視野に入れて続き、幕末庶民の稗史をも浮き彫りにしていく。著者の史観や人間観を示して、絶妙自在な構成で文学ジャンルの範疇を超越した傑作。読売文学賞受賞。
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安岡 章太郎

安岡 章太郎(やすおか しょうたろう、1920年4月18日 - 2013年1月26日)は、日本の小説家。 == 生涯 == 高知県高知市帯屋町に父・安岡章、母・恒の子として生まれる。父方は、安岡正美(覚之助)や安岡正定(嘉助)などの土佐勤王党員を多くだした土佐藩士の安岡家であり、幕末は板垣退助率いる土佐藩迅衝隊に加わり戊辰戦争を戦った勤皇家である。母方の入交家も江戸時代は郷士だったという。章太郎の父は陸軍獣医官であったため、生後2ヶ月で千葉県市川市に転居。その後、香川県善通寺市、東京小岩、市川市で過ごした後、5歳の時、一家で京城(現・ソウル)に移った。小学校3年の時、青森県弘前市に転居。小学校5年から東京青山、目黒などで育った。
誕生(1920-05-30) 1920年5月30日 日本・高知県高知市
死没(2013-01-26) 2013年1月26日(92歳没) 日本・東京都
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴慶應義塾大学英文科
活動期間1951年 - 2013年
ジャンル小説・随筆・文芸評論
文学活動第三の新人
代表作『悪い仲間』(1953年)『海辺の光景』(1959年)『幕が下りてから』
主な受賞歴芥川龍之介賞(1953年)芸術選奨(1960年)野間文芸賞(1960年・
デビュー作「ガラスの靴」(1951年)