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北條 誠/久保田 万太郎

粋筋のあいだで知られる海苔屋「森伝」は、すっかり時代の変化に取り残されていた。没落への悲哀にまみれながら遊びつづける当代主人の、艶やかな最期(北條誠『舞扇』)。客として馴染んだ店の老給仕がついに停年を迎えた。去りゆく季節の情感が美しい、久保田万太郎の『きのうの今日』。女給部屋の露骨な会話に、男客を奪いあう女たちの哀しみが浮かぶ佐多稲子『レストラン洛陽』。かげりゆく世界で光を放とうとした人たちがいたー失われゆく世界への愛惜が滲む三篇。
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北條 誠/久保田 万太郎

久保田 万太郎(くぼた まんたろう、1889年(明治22年)11月7日 - 1963年(昭和38年)5月6日)は、浅草生まれの大正から昭和にかけて活躍した小説家、劇作家、俳人。生粋の江戸っ子として伝統的な江戸言葉を駆使して滅びゆく下町の人情を描いて高く評価された。俳人としては岡本松浜、松根東洋城に師事、戦後に俳誌「春燈」を主宰し文人俳句の代表作家として知られる。俳句の別号に暮雨、傘雨。劇作家、演出家でもあり岩田豊雄(獅子文六)、岸田国士らと文学座を創立。別の筆名に千野菊次郎。日本演劇協会会長。芸術院会員。
誕生1889年11月7日 日本・東京府東京市浅草区(現・台東区)
死没(1963-05-06) 1963年5月6日(73歳没) 日本・東京都新
墓地日本・喜福寺
職業小説家・劇作家・俳人
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴慶應義塾大学文学科
活動期間1912年 - 1963年
ジャンル小説・戯曲・俳句
文学活動江戸文化歌舞伎評論新派
代表作『末枯』(1917年)『大寺学校』(1927年,戯曲)『道芝』(1927
主な受賞歴菊池寛賞(1942年)読売文学賞(1957年)NHK放送文化賞(1951
デビュー作『浅草』(1912年)