cover

スープの国のお姫様

樋口 直哉

元料理人の僕は、奇妙な仕事を紹介される。それは古い屋敷で、一人暮らしのマダムのために毎晩一杯のスープを作ること。報酬は破格だった。屋敷で、僕はマダムの孫娘の千和に出会う。両親を事故で失くした千和は心を閉ざしていたが、母の遺した料理本を愛読し、膨大な料理の知識をもっていた。幼い頃に母と離れ離れになった僕は、千和と心を通わせていく。無理難題のようなリクエストに隠された“謎”を解きながら、ついに僕はずっと探してきた「母の想い出のスープ」の手がかりを見つけるが…。悲しみから再生し、明日へと歩む力をくれる六皿のスープの物語。

樋口 直哉

樋口 直哉(ひぐち なおや、1981年5月19日 - )は、日本の小説家。東京都板橋区生まれ。 == 来歴 == 服部栄養専門学校卒業。兼業作家で、本業はフランス料理の出張料理人。2005年、安部公房『箱男』へのオマージュ作品「さよなら アメリカ」で第48回群像新人文学賞受賞。同作で第133回芥川龍之介賞候補。 映像化された作品に2014年「大人ドロップ」がある。(監督飯塚健、主演池松壮亮、橋本愛) == 作品リスト == === 単行本 === 『さよなら アメリカ』(2005年7月7日、講談社、ISBN 9784062130264) 初出:『群像』2005年6月号 『月とアルマジロ』(2006年2月28日、講談社、ISBN 9784062133166) 初出:『群像』2005年12月号 『大人ドロップ』(2007年3月10日、小学館、ISBN 9784093861106、イラスト:浅野いにお)のち文庫 『星空の下のひなた。