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夢顔さんによろしく(下)

西木正明

和平工作が失敗に終わり徴兵された文隆は、満州で終戦を迎え、シベリアに抑留される。日本の家族の元に届く手紙に繰り返し書かれていたのは、不可思議な言葉だった…。帰国と引き換えにソ連のスパイとなることを求められた文隆が、最後に希望を託そうとした「夢顔さん」とは一体誰なのか?激動の時代を生き、高貴なる一族の長男として、そして日本人としての誇りを守り続けた文隆の運命はー。

西木正明

西木 正明(にしき まさあき、1940年5月25日 -)は、日本の小説家。 == 来歴・人物 == 新潟県生まれ秋田県仙北郡西木村(現・仙北市)育ち。本名は鈴木正昭。1959年秋田県立秋田高等学校卒業。早稲田大学教育学部社会科中退。平凡出版(現マガジンハウス)に入社し『平凡パンチ』『週刊平凡』『ポパイ』等の編集に携わる。1980年に独立して作家活動開始。デビュー作『オホーツク諜報船』で日本ノンフィクション賞新人賞、1988年に「凍れる瞳」「端島の女」で第99回直木賞を受賞。