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非道、行ずべからず

松井今朝子

文化六年元旦、江戸最大の劇場、中村座が炎上し、焼け跡から、男の死体が見つかる。正月興行に水をさされ、下手人が身内でないことを祈る劇場主十一代目中村勘三郎。だが折しも、三代目荻野沢之丞が、誰に名跡を継がせるか、話題となっていた。反目しあう兄弟、戯作者、帳元、金主等、怪しいヤツばかり。北町同心達が謎を追ううち、次なる殺人が…。芸に生きる男達の修羅地獄を描く長編時代ミステリー。

松井今朝子

松井 今朝子(まつい けさこ、1953年9月28日 - )は、日本の脚本家、演出家、評論家、直木賞作家。 == 経歴 == 1953年、京都・祇園にある料亭の娘として生まれる。聖母学院中学高等学校卒、早稲田大学第一文学部演劇学科卒、同大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了後、松竹株式会社に入社、歌舞伎の企画・制作に携わる。松竹を退職後フリーとなり、武智鉄二に師事して、歌舞伎の脚色・演出・評論などを手がけるようになる。 1997年、『東洲しゃらくさし』で小説家としてデビュー。同年に、『仲蔵狂乱』で第8回時代小説大賞受賞。この作品は、2000年に市川團十郎、新之助の出演でTV化された。1999年、『幕末あどれさん』で第20回吉川英治文学新人賞候補。