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志ん生一代

結城 昌治

十五歳で家出し、二十歳で三遊亭小円朝に弟子入りし、朝太の名をもらう。「一人前の噺家になるまでは家にはかえらねぇ…」と、落語への情熱は本物だったが、十代から覚えた「飲む打つ買う」の三道は止められない。師匠を怒らせ、仕事をしくじり、改名を繰り返し、借金を重ねていく…。後の名人・古今亭志ん生の若き日の彷徨だった。酒でしくじり寄席を出禁になると、落語以外に自分の生きる道はないと痛感。昭和十四年、念願の五代目古今亭志ん生を襲名。名人・文楽と並び称された不世出の天才落語家の戦前、戦中、戦後を駆け抜けた破天荒人生を描く。

結城 昌治

結城 昌治(ゆうき しょうじ、1927年2月5日 - 1996年1月24日)は日本の小説家・推理作家。本名、田村幸雄。都筑道夫の命名によるこの筆名は、本来「ゆうき・まさはる」と読ませたが、しょうじと誤読されることが多いため、そのまましょうじとなった。 まだ日本にハードボイルド小説というものが浸透していなかった時期にハードボイルドを書いたことから「ハードボイルド小説の先駆者」といわれる。生島治郎の筆名の名付親でもある。ユーモアミステリも多く、この分野においても天藤真を奮起させるなど、先覚の位置を占める。 == 経歴 == 1927年、東京市品川区生まれ。1939年、戸越小学校卒業。