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城壁

榛葉 英治/和田 敦彦

『城壁』は、南京大虐殺事件を複数の視点から描き出したばかりではなく、それをいかに歴史として残していくかを問うた最初の小説として、記憶されなくてはならないー。南京事件を正面からとりあげた唯一の長編小説といってもよい本書を、忘却の彼方から引きずり出す。南京事件をどういう立場から、どういう言葉で残し、記憶していくのか。いま、新たに光をあてるべく復刊する。

榛葉 英治/和田 敦彦

榛葉 英治(しんば えいじ、1912年10月21日 - 1999年2月20日)は、日本の小説家である。 == 来歴・人物 == 静岡県掛川市生まれ。静岡県立掛川中学校(現在の静岡県立掛川西高等学校)を経て、早稲田大学英文科卒業。満州国外交部に勤める。敗戦後引き揚げ、仙台市の東北連絡調整事務局に勤務したが、1948年、辞職、上京して創作活動に専念、多くの通俗小説を書く。初期作品に『渦』『淵』『流れ』三部作がある。1958年の『赤い雪』は敗戦時の満洲の混乱を描き、直木賞受賞。 外祖父の村岡素一郎は民間史論家で、徳川家康の出自に関して独自の研究を行った。