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小説 太宰治

檀 一雄

“天才”太宰治と駆けぬけた著者の狂躁的「青春回想録」。作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、“彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である”と冒頭から述懐している。“太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである”とまで踏み込んでいる。昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録になっている。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
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檀 一雄

檀 一雄(だん かずお、1912年(明治45年)2月3日 - 1976年(昭和51年)1月2日)は、日本の小説家、作詞家、料理家。私小説や歴史小説、料理の本などで知られる。「最後の無頼派」作家・文士ともいわれた。また、西遊記の日本語抄訳もある(東京創元社ほか)。 代表作は、律子夫人の没後に描いた『リツ子 その愛』『リツ子 その死』、時代娯楽作品も人気があり『真説石川五右衛門』(1950年、第24回直木賞受賞)、『夕日と拳銃』など、また20年以上に亘り、書き継がれライフワークとなった遺作『火宅の人』(1986年、東映で異父弟のプロデューサーの高岩淡の企画、深作欣二監督、緒形拳主演により映画化)など。 女優の檀ふみは長女。エッセイストの檀太郎は長男。太郎と同じくエッセイストの檀晴子は太郎の夫人。
誕生1912年2月3日 日本 山梨県南都留郡谷村町(現:都留市)
死没(1976-01-02) 1976年1月2日(63歳没) 日本 福岡県福
墓地福岡県柳川市福厳寺
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴東京帝国大学経済学部
活動期間1935年 - 1976年
主題放浪古典や説話のオマージュ人間の宿痾料理
文学活動無頼派(新戯作派)
代表作『花筐』(1937年)『リツ子・その愛』(1950年)『リツ子・その死』
デビュー作「此家の性格」
配偶者高橋律子(1941年 - 1946年)山田ヨソ子(1946年 -1976
子供檀太郎(長男)次郎(次男)小弥太(三男)檀ふみ(長女)さと(次女)
親族高岩淡(異父弟)檀一平太(孫)