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生存者の沈黙

有馬頼義

米潜水艦によって救助された、唯一人の生存者はなぜ沈黙するのか。一瞬にして二千余名の非戦闘員とともに撃沈された緑十字船「阿波丸」の悲劇の真相を追い、遺された者たちの“怒り”を活写する。終戦直後、アメリカに対する日本政府の優柔な姿勢と圧倒的な占領軍政策の下で戦時下に発生した事件の顛末を追及するミステリー。

有馬頼義

有馬 頼義(ありま よりちか、1918年2月14日 - 1980年4月15日)は、日本の小説家。中間小説、社会派推理小説の分野で活躍した。旧筑後国久留米藩主有馬家の第16代当主。 == 出自 == 伯爵有馬頼寧の三男として東京市赤坂区青山に生まれる。母貞子は北白川宮能久親王の第二女王女子。 頼寧の母・寛子(頼義の祖母)は岩倉具視の五女。頼義の妹・澄子は足利惇氏の妻。姉の正子は亀井茲建の妻であり、衆議院議員亀井久興は甥にあたる。