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遺書配達人

有馬頼義

日本の敗戦による飢餓とインフレ時代に遺書を託して戦場に消えた戦友の最期を配達する一兵士の見た戦争のつめあと。西山民次の中に燃えつづけた怒りの炎は生前の有馬のなかにも燃えていた。その怒りに促されて書きつづけた有馬の兵隊小説について多くの文芸評論家は「戦争体験の風化に抵抗する作品」と評した。

有馬頼義

有馬 頼義(ありま よりちか、1918年2月14日 - 1980年4月15日)は、日本の小説家。中間小説、社会派推理小説の分野で活躍した。旧筑後国久留米藩主有馬家の第16代当主。 == 出自 == 伯爵有馬頼寧の三男として東京市赤坂区青山に生まれる。母貞子は北白川宮能久親王の第二女王女子。 頼寧の母・寛子(頼義の祖母)は岩倉具視の五女。頼義の妹・澄子は足利惇氏の妻。姉の正子は亀井茲建の妻であり、衆議院議員亀井久興は甥にあたる。