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火野 葦平/ルゴーネス
河童が消息を絶った。「名探偵」がゆくえを追い、想いを寄せる女の河童は悲嘆に暮れる。暗愚にして真摯なる精神が夢みた「昇天」までの寓話(火野葦平『伝説』)。赤銅の雨が降る夜、終末への戦慄を覚えながらも享楽の宴をつづける人間の姿があった(ルゴーネス『火の雨』)。十六歳で亡くなった少女が、死者の透明な視線で生者の光景を語る、吉村昭『少女架刑』。危機を予感しながらも、無自覚な日常に退却してゆく精神の不隠さ。特異な設定のなかに、「人間的なるもの」の意味を問う。
誕生 | 玉井勝則 (1907-01-25) 1907年1月25日福岡県遠賀郡若松 |
死没 | (1960-01-24) 1960年1月24日(52歳没)福岡県若松市( |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
最終学歴 | 早稲田大学英文科中退 |
代表作 | 『糞尿譚』『麦と兵隊』『花と竜』 |
主な受賞歴 | 芥川賞日本芸術院賞 |