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四十八歳の抵抗

石川 達三

1955-56年にかけて読売新聞に連載され、大反響の下、流行語にもなった「四十八歳の抵抗」。55歳が停年の時代に、真面目一筋に勤めてきた48歳の保険会社次長、西村耕太郎は恵まれた家庭を持ち、傍目には幸せそうな日々を送っているが、実のところはなにやら満たされない。その心中を見透かしたように社内の島田からヌード撮影会に誘われる。そして一度も恋愛をしてないという焦燥から、耕太郎はバーの娘で19歳のユカリを口説いて熱海の旅館に出かけるのだがー。社会的な地位があり体裁を繕って生きてはいるが、まだ燃え上がる激情も抱えた“ミドルエイジ・クライシス”を描いた普遍的な「男性研究の書」である。
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石川 達三

石川 達三(いしかわ たつぞう、1905年(明治38年)7月2日 - 1985年(昭和60年)1月31日)は、日本の小説家。社会性の濃い風俗小説の先駆者で、『蒼氓』により第1回芥川賞受賞。華中従軍から得た『生きてゐる兵隊』は発禁処分を受けた。戦後は、新聞小説や、社会における個人の生活、愛、結婚をテーマにした作品でベストセラーを連発。『四十八歳の抵抗』など書名のいくつかは流行語にもなった。『風にそよぐ葦』『人間の壁』など鋭い社会的問題意識を持ったルポルタージュ風小説で高い評価を受けている。社会的・文壇的活動も活発で、日本ペンクラブ会長、日本文芸家協会理事長、日本文芸著作権保護同盟会長、アジア・アフリカ作家会議東京大会会長などを務めた。芸術院会員。
誕生1905年7月2日 日本・秋田県平鹿郡横手町(現・横手市)
死没(1985-01-31) 1985年1月31日(79歳没) 日本・東京都
墓地神奈川県平塚市那由侘の里
職業小説家
言語日本語
国籍日本
最終学歴早稲田大学英文科中退
活動期間1931年 - 1985年
ジャンル小説
代表作『蒼氓』(1935年)『日蔭の村』(1937年)『生きてゐる兵隊』(19
主な受賞歴芥川龍之介賞(1935年)菊池寛賞(1969年)
デビュー作『最近南米往来記』(1931年)