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雪の華

伊藤たかみ

川上優は、ある日街のなかで懐かしい「形」に出会う。それはもうこの世にはいない、京子の形と全く同じものだった。優は生まれつき特殊な感覚をもっていた。それは共感覚と呼ばれ、全ての匂いを視覚的に形として認識してしまうもので、指紋のように同じ「形」は存在しないはずだった。優が我を忘れて京子と同じ「形」を追いかけていくと、そこにいたのは高校時代の親友・霧島と見知らぬ女の子だった…新芥川賞作家が描く不思議で切ないラブストーリー。

伊藤たかみ

伊藤 たかみ(いとう たかみ、男性、1971年4月5日 - )は、日本の小説家。 == 来歴・人物 == 兵庫県神戸市生まれ。5歳から小学校5年までを大阪府枚方市、小学校6年時から高校卒業後の浪人時代までを三重県名張市で過ごす。三重県立上野高等学校を経て早稲田大学政治経済学部卒。 1995年、大学在籍中に「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」で第32回文藝賞を受賞し小説家デビュー。同作品をもって早稲田大学より小野梓記念賞芸術賞を受賞。2000年、『ミカ!』(理論社)で、第49回小学館児童出版文化賞受賞。