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うるわしき日々

小島信夫

『抱擁家族』の30年後の姿 老いと家族をテーマの長篇――80を過ぎた老作家は、作者自身を思わせて、50過ぎの重度アルコール中毒の息子の世話に奮闘する。再婚の妻は、血のつながらぬ息子の看病に疲れて、健忘症になってしまう。作者は、転院のため新しい病院を探し歩く己れの日常を、時にユーモラスなまでの開かれた心で、読者に逐一説明をする。複雑な現代の家族と老いのテーマを、私小説を越えた自在の面白さで描く、『抱擁家族』の世界の30年後の姿。
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小島信夫

小島 信夫(こじま のぶお、1915年(大正4年)2月28日 - 2006年(平成18年)10月26日)は、日本の小説家・評論家。 == 略歴 == 岐阜県稲葉郡加納町(現・岐阜市加納安良町)出身。旧制岐阜中学校(現・岐阜県立岐阜高等学校)、第一高等学校を経て、1941年東京帝国大学文学部英文科卒業。卒業論文は『ユーモリストとしてのサッカレイ』。 1942年より中国東北部で従軍、敗戦でポツダム上等兵(伍長)。1946年復員し、1948年4月から千葉県立佐原女子高等学校で教え、1949年度より東京都立小石川高等学校に移る。1954年からは明治大学工学部助教授として英語を教え、1961年に理工学部教授に昇格、以後1985年の定年まで勤務する傍ら旺盛な文筆活動を行った。 2006年10月26日、肺炎のため91歳で死去した。
誕生1915年2月28日 日本・岐阜県稲葉郡加納町(現・岐阜市加納安良町)
死没(2006-10-26) 2006年10月26日(91歳没)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴東京帝国大学英文学科卒業
活動期間1953年 - 2006年
ジャンル小説
文学活動第三の新人
代表作『アメリカン・スクール』(1954年)『抱擁家族』(1965年)『別れる
主な受賞歴芥川龍之介賞(1955年)谷崎潤一郎賞(1965年)芸術選奨(1973年
デビュー作『小銃』(1953年)