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小説のデーモンたち

古川日出男

連載の三回めが東日本大震災の発災からわずか十一日後の文章となった。ここから『小説のデーモンたち』は、一人の作家の自滅と再生の物語となってしまう。そう、物語だ。驚いてしまうことに。僕は、この創作論『小説のデーモンたち』を月々書きつづけることで、ある一人の“作家”を観察するはめになった。その“作家”とは僕である。結果として、この本は「2011年1月から2013年7月を生きた、ある一人の“作家”のクロニクル」に結実した。-著者。

古川日出男

古川 日出男(ふるかわ ひでお、1966年7月11日 -)は、日本の小説家、劇作家。 == 経歴 == 福島県郡山市出身。福島県立安積高等学校卒業。早稲田大学第一文学部中退後、編集プロダクションに勤務。高校で演劇部に所属して以降演劇に関わり、1991年より舞台演出家として活動、戯曲も30本以上書いたという。 1994年、『砂の王(ウィザードリィ外伝)』(現在未完)で小説家としてデビュー。2002年、『アラビアの夜の種族』で第55回日本推理作家協会賞・第23回日本SF大賞を受賞。2005年、『ベルカ、吠えないのか?』で第133回直木三十五賞候補。