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雑音考

樋口覚

万人の悩み「雑音」。このきわめて「近代的な」問題を、その闘いにおいて徹底した数多の文学者を取り上げ、悲喜劇の舞台たる「住居」から考察する異色の音論。

樋口覚

樋口 覚(ひぐち さとる、1948年1月20日 - )は、日本の文芸評論家。2005年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。 == 人物 == 長野県長野市出身。祖父の樋口長衛は開成学園で斎藤茂吉と、東京帝国大学で岩波茂雄と同級生だった信州の教育者で長野県立長野中学校長を務めており、祖母の樋口志保子は島木赤彦門下のアララギ歌人。父の樋口寛は国文学者で、安曇野に疎開して以降長野在住だった斎藤史と交流があり、幼少期の覚は史に可愛がられていた。 長野県長野高等学校を経て、一橋大学社会学部卒業。株式会社医学書院編集部で編集者として活動するかたわら、歌人として活動を開始し、後に文芸評論の道に進む。大岡昇平、中原中也、富永太郎ら昭和の詩人・文学者のほか、古典文芸への論及も多い。