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私の恋人

上田岳弘

遥か10万年前、クロマニョン人だった私は、並外れた想像力でその後の世界情勢や人類の営みを予見し、洞窟の壁に書きつけながら、いつしか未来に息づくひとりの女性を思い描いていた。その後、第二次世界大戦前のベルリンに生まれ変わった私は、ユダヤ人であるがゆえに時代の波にのまれ、ナチスの強制収容所の独房で、太古からの記憶を反芻し、今でもここでもない場所から私の身を案じている、たまらなく可愛い私の恋人のことを想い続ける。そして、現代日本にふたたび生を受けた私、井上由祐の前にひとりの女性が現れたー。はるかなる人類史と、その先に待つ未来と驚きあうかつてなく壮大でどこまでも親密なラブストーリー。第28回三島賞受賞作。

上田岳弘

上田 岳弘(うえだ たかひろ、1979年2月26日 - )は日本の小説家。 == 来歴 == 兵庫県明石市出身。兵庫県立明石西高等学校を経て、早稲田大学法学部卒業。大学卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となる。 2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー。 第28回三島由紀夫賞の選考において、又吉直樹著『火花』(第153回芥川龍之介賞受賞作)との決選投票の末に、「私の恋人」への授賞が決定。 朝日新聞紙上での松浦寿輝と鴻巣友季子との対談「ノーベル賞を語り合う」において、両氏が上田の名前を挙げ、中でも松浦は「卑近な現実から離陸して、観念の高みまで想像力を飛ばそうという意気込みが感じられ」るとし、その作風を評し「新超越派と名付けた」ことを明かした。 2016年、国際文芸誌〈Granta〉日本語版にて「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選出される。
誕生(1979-02-26) 1979年2月26日(41歳) 日本・兵庫県明
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(法学)
最終学歴早稲田大学法学部
活動期間2013年 -
ジャンル小説
代表作『私の恋人』(2015年)
主な受賞歴新潮新人賞(2013年)三島由紀夫賞(2015年)芸術選奨新人賞(201
デビュー作「太陽」(2013年)