時穴みみか
藤野 千夜
小学六年生の美々加は、バツイチ独身のママ・菜摘と二人暮らし。大好きなママに熊田剛という恋人ができてから、美々加は道草をして、わざと帰りを遅らせるようになった。十二歳の誕生日まであと五日という放課後、黒猫のあとをつけ、巨木の根元の空洞をくぐり抜けた美々加は、知らない家で目を覚ました。くみ取りトイレとダイヤル式電話。見知らぬ家族に「さら」と呼ばれ、パニックになる美々加。平成生まれの女の子が、昭和49年にタイムスリップ!スプーン曲げにこっくりさん、タカラヅカの華麗な舞台…。キティちゃんも生まれていない懐かしく優しい「あの時代」で、美々加は何に出会ったのか?