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時穴みみか

藤野 千夜

小学六年生の美々加は、バツイチ独身のママ・菜摘と二人暮らし。大好きなママに熊田剛という恋人ができてから、美々加は道草をして、わざと帰りを遅らせるようになった。十二歳の誕生日まであと五日という放課後、黒猫のあとをつけ、巨木の根元の空洞をくぐり抜けた美々加は、知らない家で目を覚ました。くみ取りトイレとダイヤル式電話。見知らぬ家族に「さら」と呼ばれ、パニックになる美々加。平成生まれの女の子が、昭和49年にタイムスリップ!スプーン曲げにこっくりさん、タカラヅカの華麗な舞台…。キティちゃんも生まれていない懐かしく優しい「あの時代」で、美々加は何に出会ったのか?

藤野 千夜

藤野 千夜(ふじの ちや、1962年2月27日 - )は、日本の小説家。 == 経歴 == 福岡県出身。麻布中学校・高等学校、千葉大学教育学部卒業。 漫画雑誌の編集者を経て、1995年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞を受賞し小説家に転身。1996年『少年と少女のポルカ』で第18回野間文芸新人賞候補。1998年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞受賞。1999年「恋の休日」で第121回芥川賞候補。2000年「夏の約束」で第122回芥川賞受賞。