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黄金の樹

黒井 千次

昭和20年代後半、文学への志を抱えながらも東大・経済に進んだ倉沢明史は検事である父の呪縛に抗いながら、己が人生を模索していた。朝鮮戦争・血のメーデー事件・米国によるMSA援助の見返りとしての日本の再軍備問題と、時代は熱い政治の季節ー。その一方で家庭教師先の人妻・麻子に胸を焦がし、自らの欲望に悶々とする。そして、失ったはずのかつての恋人・棗との再会。“内向の世代”を代表する作家・黒井千次が「春の道標」の後日譚として、彷徨する生真面目な青年の内面を繊細に描いた自伝的青春小説の完結編。復刻記念に著者のあとがきを特別収録。
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黒井 千次

黒井 千次(くろい せんじ、1932年5月28日 - )は、日本の小説家。本名、長部舜二郎(おさべ しゅんじろう)。サラリーマン生活の傍ら執筆生活を始め、「内向の世代」を代表する作家の一人と目された。大企業の組織を見つめ、労働者の人間疎外を主題とした作品を多数執筆したが、『春の道標』など自伝的な青春小説でも好評を得た。日本文芸家協会理事長。日本芸術院長。文化功労者。 == 来歴・人物 == 東京府下高円寺に、検察官でのち最高裁判事となる長部謹吾の次男として生まれる。
誕生(1932-05-28) 1932年5月28日(88歳) 日本・東京都杉
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(経済学)
最終学歴東京大学経済学部
活動期間1958年 -
ジャンル小説
文学活動内向の世代
代表作『時間』(1969年)『時の鎖』(1970年)『五月巡歴』(1977年)
主な受賞歴芸術選奨新人賞(1970年)谷崎潤一郎賞(1984年)読売文学賞(199
デビュー作『青い工場』(1958年)