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山を走る女

津島 佑子/星野 智幸

二一歳の多喜子は誰にも祝福されない子を産み、全身全霊で慈しむ。罵声を浴びせる両親に背を向け、子を保育園に預けて働きながら一人で育てる決心をする。そしてある男への心身ともに燃え上がる片恋ー。保育園の育児日誌を随所に挿入する日常に即したリアリズムと、山を疾走する太古の女を幻視する奔放な詩的イメージが谺し合う中に、野性的で自由な女性像が呈示される著者の初期野心作。

津島 佑子/星野 智幸

津島 佑子(つしま ゆうこ、1947年3月30日 - 2016年2月18日)は、日本の小説家。本名は津島里子(つしま さとこ)。東京都北多摩郡三鷹町(現・東京都三鷹市)生まれ。太宰治と津島美知子の次女。白百合女子大学英文科卒。『謝肉祭』で文壇に登場。父、兄、長男との死別から「不在の者」をモチーフに、人間関係における孤絶と連帯の実相を追求し、高い評価を受けた。現代文学(昭和後期〜平成)を代表する作家の一人である。
誕生津島 里子(つしま さとこ) (1947-03-30) 1947年3月3
死没(2016-02-18) 2016年2月18日(68歳没)
職業小説家
言語日本語
国籍日本
教育学士(文学)
最終学歴白百合女子大学英文科卒業明治大学大学院英文科中退
活動期間1971年 - 2016年
ジャンル小説
代表作『葎の母』(1975年)『寵児』(1978年)『水府』(1982年)『夜
主な受賞歴田村俊子賞(1976年)泉鏡花文学賞(1977年)女流文学賞(1978年
デビュー作『謝肉祭』(1971年)
子供石原燃 (娘・劇作家)
親族太宰治(父・小説家)津島雄二(義兄・元厚生大臣)津島淳(甥・衆議院議員)