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愛国者たち

藤枝 静男

明治24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂、大津事件に関わった愛国者たちー。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にある人間を見つめた表題作ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印し、平林たい子文学賞を受賞した、知られざる名作。

藤枝 静男

藤枝 静男(ふじえだ しずお、1907年12月20日 - 1993年4月16日)は、日本の作家、眼科医。本名勝見次郎。静岡県志太郡藤枝町(現・藤枝市)出身。 == 人物 == 成蹊学園から名古屋の旧制第八高等学校を経て1936年に千葉医科大学(現在の千葉大学医学部)を卒業。伊東弥恵治に師事した。勤務医生活ののち独立、1950年から浜松市で眼科医院を営む傍ら、小説を書き続けた。1968年『空気頭』で芸術選奨文部大臣賞、1974年『愛国者たち』で平林たい子文学賞、1976年『田紳有楽』で谷崎潤一郎賞、1979年には『悲しいだけ』で野間文芸賞を受賞。 本人の言の通り、簡潔で硬質な力強い文体と自他を隔てず冷徹な観察眼において、志賀直哉と瀧井孝作の影響を受けており、「心境小説」を独自のこだわりに推し進め、私小説の形をとりながら虚実のあわいに遊ぶような作品が多い。
誕生本名・勝見次郎1907年12月20日 日本・静岡県藤枝市
死没(1993-04-16) 1993年4月16日(85歳没) 日本・神奈川
職業作家、眼科医
言語日本語
国籍日本
活動期間1947年 - 1993年
ジャンル心境小説
代表作『犬の血』(1957年)『空気頭』(1968年)『愛国者たち』(1974
主な受賞歴芸術選奨文部大臣賞(1968年)平林たい子文学賞(1974年)谷崎潤一郎
デビュー作『路』(1947年)