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ポロポロ

田中小実昌

独立教会の牧師だった父親が開いていた祈祷会。そこではみんながポロポロという言葉にはならない祈りをさけんだり、つぶやいたりしていたー著者の宗教観の出発点を示す表題作「ポロポロ」の他、中国戦線で飢えや病気のため、仲間たちとともに死に直面した過酷な体験を、物語化を拒否する独自の視線で描いた連作。谷崎潤一郎賞受賞作。

田中小実昌

田中 小実昌(たなか こみまさ、1925年(大正14年)4月29日 - 2000年(平成12年)2月26日)は、日本の小説家、翻訳家、随筆家。直木賞・谷崎潤一郎賞受賞。 == 来歴・人物 == 東京市千駄ヶ谷生まれ。父・田中種助はバプテストの神学校を出た東京市民教会の牧師。40歳の種助と46歳の母・マサ子の長男として生まれる。父の転勤で4歳から広島県呉市東三津田町で育つ。7歳のとき、父が独立教会を創立。 実家近くの広島県立呉第一中学(現・呉三津田高校)を受験するが失敗し、旧制西南学院中学に入学。