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仁淀川

宮尾登美子

満州で敗戦を迎え、夫と幼い娘と共に必死に引揚げてきた二十歳の綾子は、故郷高知県の仁淀川のほとりにある夫の生家に身を落ち着ける。農家の嫁として生活に疲れ果てて結核を発病した綾子に、さらに降りかかる最愛の母・喜和と父・岩伍の死。絶望の底で、せめて愛娘に文章を遺そうと思い立った綾子の胸に「書くことの熱い喜び」がほとばしる。作家への遙かな道のりが、いま始まったー。

宮尾登美子

宮尾 登美子(みやお とみこ、1926年4月13日 - 2014年12月30日)は、日本の小説家。高知県高知市生まれ。高坂高等女学校卒業。『櫂』で注目されて以来、緻密な構成と、時代に翻弄されながらも逞しく生きる女性を描いた作風で多くの読者に支持された。高知の花柳界で育った体験を生かした自伝的作品のほか、芸道物、歴史物のモデル小説に優れる。文化功労者。 == 人物 == 高知の遊郭で芸妓紹介業(女衒)を営む岸田猛吾と愛人の子として生まれる。実母は女義太夫。
誕生(1926-04-13) 1926年4月13日 日本・高知県高知市
死没(2014-12-30) 2014年12月30日(88歳没)
職業作家
国籍日本
ジャンル小説
代表作『櫂』(1972年) 『岩伍覚え書』(1977年) 『一絃の琴』(197
主な受賞歴女流新人賞(前田とみ子名義)(1962年) 太宰治賞(1973年)女流文
デビュー作『連』(1962年,前田とみ子名義)