cover

増毛ラプソディ

光岡明夫

自らが薄毛と気づいたその日から、Mはそれと戦い始めた。なかなか手強い好敵手だった。禿の禿による禿のための意味論的増毛。あまねく禿治療を経験した著者が描く「生やしたい人」のための物語。

光岡明夫

光岡 明(みつおか あきら、1932年11月3日 - 2004年12月22日)は、日本の作家である。熊本県熊本市生まれ。 熊本県立宇土高等学校、熊本大学法文学部を卒業。1955年、熊本日日新聞に入社。文化放送部長、編集局次長、論説副委員長などを務めた。その間、父の死をきっかけに小説を書き始め、1976年『文学界』に発表した『いづくの蟹』で芥川賞候補。続いて77年『奥義』、『湿舌』、78年『草と草との距離』で計4回、同賞候補。1978年『草と草との距離』などで熊本日日新聞文学賞受賞。