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西成山王ホテル

黒岩 重吾

片足に障碍を持ちながら山王町で水商売をする澄江は年下で喘息持ちの高井と心を通わせるが、西成で生きる人々の業がふたりに悲劇をもたらす(「湿った底に」)。裕福な家に育ち空虚な人生を送っていた青年と夜の街で奔放に踊る女性。互いに惹かれあいながらもすれ違う男女の行方(「落葉の炎」)。「魂の観察者」と称された作家が大阪西成を舞台に描く傑作短篇集。
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黒岩 重吾

黒岩 重吾(くろいわ じゅうご、1924年2月25日 - 2003年3月7日)は日本の小説家。社会派推理小説、風俗小説、古代史を題材にした歴史小説で活躍した。 == 経歴・人物 == === 生い立ち・青年時代 === 大阪市生まれ。父方の祖先は和歌山県新宮市の廻船問屋。父は大同電力の電気技師で、安治川発電所の社宅で生まれた。旧制宇陀中学(現・奈良県立大宇陀高等学校)に入学し、4年で終了して同志社大学の予科に入学。同志社大学在学中に学徒出陣し、北満に出征する。 ソ連国境に近い綏芬河の町で終戦を迎え、厳しい逃避行の末、1946年に朝鮮に辿り着き、内地へ帰還した。
誕生1924年2月25日 大日本帝国 大阪府大阪市
死没(2003-03-07) 2003年3月7日(79歳没)
職業小説家
国籍日本
代表作『背徳のメス』(1960年)『天の川の太陽』(1979年)
主な受賞歴直木三十五賞(1960年)吉川英治文学賞(1980年)